【ニュース】 大和ハウス工業、「富山市公設地方卸売市場再整備事業」の本体工事に着手、「まちに開かれた生活市場」をコンセプトに商業施設などを一体開発 富山県富山市

2022.02.28
大和ハウス工業株式会社(大阪市北区、芳井敬一社長)は2月25日、「富山市公設地方卸売市場再整備事業」(富山県富山市)の本体工事に着手した。
同社では、行政の財政負担軽減や施設規模の最適化のため、老朽化した公設卸売市場の建て替え支援事業を展開しており、今回の同事業はその第1弾となるもの。

日本では1970年代、安全な青果物や水産物などの生鮮食料品、観賞用草花を取り引きするため、各地に中央卸売市場や地方卸売市場などの公設卸売市場が約200ヶ所建設されたが、これらの施設は開発から約半世紀が経過し、設備の老朽化や耐震性の不足などの課題を抱えているという。

また、農林水産省の「卸売市場データ集」によると、中央卸売市場の取扱金額は、2006年度の4兆6,796億円から2019年度には3兆5,767億円まで低迷。
多くの公設卸売市場では、取扱量に対して過大な施設規模となっており、全国各地の行政では、品質管理や配送などの機能強化のため、民間企業を活用した再整備を進めている。

「富山市公設地方卸売市場再整備事業」は、1973年5月に開設された富山市公設地方卸売市場(開設時名称「富山市中央卸売市場」)の建て替えと余剰地活用の事業。
同市場では、生鮮食料品の取扱数量が年々減少しており、2016年度には、青果が1992年度のピーク時から約2分の1、水産が1983年のピーク時から約3分の1まで減少していた。
同事業では、卸売市場施設のコンパクト化と富山市の財政負担軽減を図るため、余剰地に商業施設を誘致し、「まちに開かれた生活市場」をコンセプトとした一体開発を行う。
商業施設には、スーパーマーケット、ホームセンター、大型家具店などを誘致する計画で、2026年3月に開業するとしている。

「富山市公設地方卸売市場」の所在地は富山県富山市掛尾町500番地。
敷地面積は約11万8,000㎡、延床面積は約3万3,900㎡。
建て替え施設の建物と延床面積は、青果棟が地上2階建・約7,300㎡、水産棟が地上2階建・約4,700㎡、関連店舗・事務所棟が地上3階建・約4,800㎡、スーパー棟が地上1階建・延床面積約3,000㎡、家具棟が地上2階建・約6,500㎡、ホームセンター棟が地上1階建・約7,600㎡。
工期は、第一期(青果棟・関連店舗事務所棟工事)が2022年2月着工~2023年1月竣工、第二期(水産棟工事)が2023年8月着工~2024年6月竣工、第三期(スーパー棟・インテリア棟・ホームセンター棟工事)が2025年5月着工~2026年2月竣工。
開業は2026年3月予定。