【ニュース】 有田鉄道とヤマト運輸、和歌山県初となる路線バスでの「客貨混載」を有田川町で開始 和歌山県有田川町

2017.10.23
有田鉄道株式会社(和歌山県有田川町、川村健一郎社長)とヤマト運輸株式会社(東京都中央区、長尾裕社長)は10月20日、有田川町の玄関口であるJR藤並駅と清水地域を結ぶ路線バスで宅急便を輸送する「客貨混載」を開始した。
有田川町・有田鉄道・ヤマト運輸の3者が連携し、路線バスで宅急便を輸送する「客貨混載」により、バス路線網の維持と物流の効率化による清水地域住民の生活サービス向上を図るという。

近年、全国の中山間地域等で過疎化や高齢化が進むなか、有田川町東部に位置し山林に囲まれる清水地域は年々人口が減少、高齢化率も50%を超えるなど、特に過疎化や高齢化が進んでいる。

有田鉄道は、同町を中心にバス路線網を有する事業者。
一方ヤマト運輸は、全国の自治体や企業と連携し、路線バスによる「客貨混載」を6都道府県で実施しており、実験的な取り組みとしては2県でも実施している。

今回の取り組みでは、宅急便を積載するため、座席の一部を荷台スペースとして確保した車両の路線バス1台を運行する。
同車両には、客貨混載専用の路線バスと分かるように、オリジナルデザインを施した。
ヤマト運輸のセールスドライバーが清水地域の利用客に配達する宅急便をJR藤並駅西口バス停で路線バスに積み込み、日々ヤマト運輸が指定するバス停で配達担当セールスドライバーに引き渡す。

これにより、同町と沿線地域の利用客は、地域のバスの路線網が維持され、安定的に利用できるようになるほか、ヤマト運輸のSDが清水地区に滞在できる時間が増えるため、当日発送の集荷締め切り時間が13時から15時まで2時間延長されるなど、宅急便のサービス向上にも繋がるという。

有田鉄道は、路線バスの空きスペースで宅急便を輸送することで、バス路線の生産性が向上し、バス路線網の維持につながる新たな収入源を確保することができる。
また、ヤマト運輸はこれまで、宅急便センターに届いた昼の配達荷物は、清水地域までの片道約50㎞の道のりをセールスドライバーが約90分かけて運び、現地の3か所で集配するセールスドライバーへそれぞれ引き渡していたが、路線バスで運ぶことにより、集配効率の向上とともに車両の走行距離の削減ができ、コスト削減やCO2削減にもつながるとしている。