【ニュース】 YKK AP、四国製造所でアルミ鋳造設備を再構築、アルミリサイクル率向上でカーボンニュートラル実現に貢献 香川県宇多津町

2022.10.03
YKK AP株式会社(東京都千代田区、堀秀充社長)は、同社の四国製造所(香川県宇多津町)でアルミ鋳造設備の再構築計画を開始する。

同計画では、専用設備の導入により、同製造所でのアルミリサイクル率を33%から2024年度には76%まで高め、カーボンニュートラル実現に向けて取り組む。
今回、第1期工事として進めてきたアルミ溶解炉・保持炉の更新が完了、9月30日より操業を開始した。

第1期工事となるアルミ溶解炉・保持炉の更新では、最新技術の導入により、品質やコスト競争力の強化に加え、作業時や災害発生時の安全性向上や省エネなどの環境負荷低減に取り組み、製造過程でのCO2排出量を従来比で18%削減する。
第1期工事の投資額は約9億円。

第2期工事では、同社初となるリサイクル炉の新設を計画。
同リサイクル炉の稼働により、アルミの市中リサイクル材の投入比率を大きく高めることが可能となり、同製造所でのアルミリサイクル率を、現在の33%から、今中期計画最終年の2024年度には
76%、2030年度には100%(分母から社内リターン材・添加金属を除き算出)まで向上させる計画だという。
アルミニウムの精製には大量の電気を必要とするが、アルミリサイクル材を使用した場合、鋳造にかかるCO2排出量は、新地金製造時のわずか3%程度と言われている。
なお、同社では、既に社内の製造工程で発生するリターン材はほぼ100%リサイクルしている。
また、同社のサプライチェーン全体のCO2排出量で、最も排出割合が大きいアルミ材料の調達によるものを、リサイクル炉を新設することで新地金の使用比率を下げ、CO2排出量を大きく削減することが可能となるという。