【ニュース】 アートアンドクラフト、アメリカ統治時代に建てられた鉄筋コンクリート造のアパートを1棟リノベーション 沖縄県那覇市

2021.02.25
建築のリノベーション企画・設計・施工、宿泊施設の企画・運営など手掛ける株式会社アートアンドクラフト(大阪市西区、枇杷健一社長)の沖縄事務所(沖縄県中城町)はこのほど、アメリカによる沖縄統治時代の1971年に建築された鉄筋コンクリート造の自宅兼賃貸アパート(沖縄県那覇市)を、アラミドシートを使用した躯体補修・補強により、再生した。
施主の厚意により、3月12日・13日にメディア向け・不動産オーナー向けの内覧会を開催する。

沖縄県は1972年に本土復帰し、1975年には沖縄国際海洋博覧会が開催され、本土復帰前後から建築ラッシュに沸いたが、十分に塩分が除去されていない海砂がコンクリートに使用されていたケースもあり、これらの建物が今まさに危険な状態に陥っているという。

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今回再生した同建物は、施主が父親から相続し、1階を自宅、2~3階を6戸のワンルーム賃貸住戸としていたもの。
構造躯体の劣化が進行し、鉄筋の露出やコンクリートの剥落が散見される状態だったという。
同プロジェクトでは、今後数十年以上安心して住み続けられるよう、アラミドシートを使用し躯体補修・補強を行い、電気・ガス・給水のインフラ設備も一新。
また、1階部分は一部減築を行い、駐車スペースを新設し、賃貸住戸は競合の多いワンルームを避け、安定した入居が望めるファミリー層をターゲットとした住戸へとリノベーションした。

沖縄県は気候風土の特性上、本土に比べると小規模な建物でも鉄筋コンクリート造の割合が多くを占める。
鉄筋コンクリート造の建物は適切に維持管理を行えば100年以上持つと言われているが、建築時に不適切な材料が用いられていたり、メンテナンスを怠れば数十年で劣化が進行するという。
木造と比較すると解体費が嵩むため、危険な状態のまま使用、放置されている建物も少なくないが、今回の同プロジェクトは、こうした建物でも適切なリノベーションを行えば使い続けられることを示す事例になったとしている。