【ニュース】 合掌ホールディングス、観光公害やオーバーツーリズム問題に対峙する白川郷でアンケート調査、課題と方向性が浮き彫りに 岐阜県白川村

2020.01.06
地域商社の合掌ホールディングス株式会社(岐阜県白川村、鈴口悦子代表)は、観光公害やオーバーツーリズム問題に対峙する白川郷でアンケート調査を実施、このほどその調査結果を発表した。

同調査は、2019年8月~9月の期間、オンライン形式で実施したもの。
対象者は、国籍問わず2020年来村予定者・FIT(個人旅行者)、有効回答数は2,752人。

居住者の3,000倍もの観光客が押し寄せる白川郷(対象集落600人弱、年間観光客推計約180万人)では、プロモーションよりもマネジメントが最優先課題となっているという。

同調査結果によると、回答者の国籍は台湾35.6%・日本18%・タイ14.2%・香港13.1%・中国5.1%、年齢層は20~40代が大半を占めた。
来日回数(訪日外国人のみ対象)は、5回以上51%・4回9%・3回14%・2回13%・1回9%・なし4%、旅行頻度は3ヶ月に1度23
%・半年に1度44%・1年に1度27%。
旅行スタイルは友人・家族とが共に29%と高く、続いて恋人同士・夫婦、ひとり旅9%。

白川郷への来村回数は76%が初めてで、1回来たことがある人は
17.5%。
世界遺産であり、住民が生活を送っているエリアであることを
97%が知っていた。
期待することは、美しい景色 39%・また多くの人が文化体験をしたい25%とあり、現状では体験プログラムが充実しておらず、現地での体験事業創出が必須だとしている。

冬季ライトアップについては、90%の人が完全予約制となったことを知っており、日本国内だけでなく台湾のメディアなどでも取り上げられ、海外でも話題となっていることが伺えた。
混雑を避けるため、2019年より事前予約制を実施している展望台では、73%が30分以上待つことは許容できると回答、予約制や混雑緩和への理解を示しているという。
また、89%が入場料を支払うことに賛成する一方で、イベントは無料であるべきだ(11%)という意見もあった。
混雑が緩和され、ゆっくり鑑賞できるのであれば4,000円以上払っても良いという回答は5%程度。
また現在の1日券は車1台当たり4,000円となっているが、人数の少ない場合(1名や2名利用)には高くなり公平性に欠けるという意見も多く、入場料は1人当たりの料金が妥当としている。
さらに、宿泊の抽選予約システムなども、旅行代理店や代理業者に買い占められ、個人旅行者に不利なイベントだったことが判明したという。