【ニュース】 金沢工業大学の人工知能研究開発チーム、金沢市で「コード化点字ブロックを活用したAI音声誘導サービス」の社会実装に向けた取組を開始 石川県金沢市

2019.12.26
金沢工業大学工学部情報工学科松井くにお教授(専門:人工知能)の研究開発チームはこのほど、「コード化点字ブロックを活用したAI音声誘導サービス」の社会実装に向けた取組を開始した。
視覚障がい者の歩行課題の軽減に加え、観光客や外国人も観光情報や災害時の避難情報などが取得できるインフラ整備を目指す。

同取組は、2019年度の「金沢市市民生活AI技術等促進事業」(事業期間1年)の選定を受けて実施するもの。
あらかじめコード化した点字ブロックの販売や、他の自治体も利用できるようオープンデータ化の検討も進め、コード化点字ブロックの普及を目指すとしている(事業選定は今年8月)。

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社会実装にあたっては、金沢市の協力のもと、広坂・兼六園・金沢21世紀美術館周辺など観光施設の多い地域から観光案内コード化点字ブロックの実装地点を選定、12月に敷設した。

視覚障がい者や観光客、外国人など、周辺情報を必要としている人たちが白杖やウエストポーチ等につけたカメラや、スマートフォンで点字ブロックを読み取ると、AIが観光施設やレストラン、トイレ等を音声誘導するほか、災害時には避難所への誘導情報への切り替えも可能としている。

同研究開発チームでは、松井教授が事業の企画・推進・統括を担当し、視覚障がい者歩行サポートシステムに取り組むW&Mシステムコンサルタント(川崎市宮前区、千葉和也代表)と誘導用点字シートを手掛ける大崎工業株式会社(堺市西区、近田光昭社長)が参画。
株式会社NTTドコモ(東京都千代田区、吉澤和弘社長)は5Gを活用した企画を担当し、観光案内コード化点字ブロックと併用した観光スタンプラリーに参画する。

なお、今年1月に金沢駅東もてなしドーム地下広場で行ったプロトタイプによる検証実験では、被験者が都度立ち止まって点字ブロックをカメラで読み取る必要があったが、今回はコードの認識精度を向上。
音声案内情報もマップをベースに自動生成するため、最新情報の取得が可能となっている。
また継続的な事業して展開するため、案内情報を広告等に使用する実証実験も進めていく予定だという。