【ニュース】 蔵王温泉の次世代を担う50歳以下の8名、観光活性化を目的とした新会社を設立、遊休不動産を活用し街並みを整備 山形県山形市

2019.12.10
蔵王温泉(山形県山形市)の次世代を担う50歳以下の8名が11月
26日、蔵王温泉エリアの観光活性化を目的とした新会社「株式会社湯50」(山形県山形市、伊東健太郎社長)を設立した。

設立にあたっては、地域活性化のノウハウや金融面でのサポートの観点から、NECキャピタルソリューション株式会社(東京都港区、今関智雄社長)も共同で出資。
地域の不動産のリノベーションや、宿泊・飲食施設の誘致など、街並みの整備事業に取り組む。

スキー場と温泉街が隣接し、秋の紅葉も美しい蔵王温泉エリアは、バブル景気やスキーブームがあった1990年代には賑わいを見せていたが、スキーブームの終焉や団体旅行の減少などに伴い、観光客は年々減少。
1992年には年間約250万人が訪れていた観光客は、ピーク時の半数以下となる年間約120万人にまで落ち込み、商店や宿泊施設の休廃業も増えているという。

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また、近年はインバウンド客の増加もあり、冬季の樹氷鑑賞やスキー客は堅調なものの、グリーン期の集客には依然として大きな課題があるほか、かつては約2,000人が暮らした蔵王温泉の人口も、現在では500人程度まで減少。
既存の事業者の高齢化も進む中で、今後の事業承継が大きな課題となっている。

こうした状況を踏まえ、蔵王温泉観光協会から派生し、地元で事業を営む50歳以下(U50)の有志が集結。
遊休不動産の利活用や事業承継の受け皿となり、地域内外から蔵王を愛する担い手を誘致する活動を行うために、新会社を設立した。
「湯50」という社名には、「地元のU50のメンバーが力を合わせて、50年後、孫の世代まで、蔵王温泉エリアが多くの人を魅了し続ける観光地であるようにしよう」「住民である私たちが、楽しく生活でき、誇りに思えるような故郷を取り戻していこう」という強い意思が込められているという。

新会社では今後、蔵王温泉観光協会などとも連携しながら、蔵王温泉での「滞在環境」と「集客拠点」の整備に取り組む。
2020年度には、「高湯通り」の滞在環境を整備するため、地元の遊休不動産を活用した飲食店をオープンさせ、泊食分離型の宿泊施設を誘致、地域活性化のきっかけとなる投資を行っていくとしている。