【ニュース】 南海電気鉄道など、「九度山」駅と「高野下」駅の駅舎をリノベーション、「おにぎりスタンド」と「駅舎ホテル」を新たな拠点として整備 和歌山県九度山町

2019.08.22
南海電気鉄道株式会社(大阪市中央区、遠北光彦社長)は、株式会社NOTE(兵庫県篠山市、藤原岳史代表)との協働により、南海高野線の「九度山」駅と「高野下」駅(何れも和歌山県九度山町)の駅舎をリノベーションする。

同取り組みは、「九度山」駅には「かまど」で炊いたおにぎりなどを提供する「おにぎりスタンド」を、「高野下」駅には全国的にも珍しく、関西では初となる「駅舎ホテル」を新たな拠点として整備するというもの。

また、地元住民などと協働し、両駅周辺での食事・宿泊・情報発信などの拠点機能の充実にも取り組み、参詣道歩きの出発点としての賑わいの復活を目指すという。
両駅とも既に改修に着工しており、11月初頭の開業を目指すとしている。

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九度山は、かつて高野山への表参道として利用され、世界遺産にも登録されている参詣道「町石道」の起点となる場所。
一方、高野下駅周辺の椎出地域は、かつて高野参りの宿場町として栄え、参詣道の「槇尾道」がある場所となっている。

また、それぞれのエリアは竜王渓トレッキングルートで結ばれており、今回、両駅に整備する施設を拠点として、参詣道やトレッキングルートを歩いてもらうといった高野山の旅を提案、高野山麓エリアへの来訪者増加を目指す。
ターゲットは、宗教的聖地に造詣の深い欧米豪のインバウンド観光客、トレッキングに興味のある国内観光客など。

「九度山」駅では、駅舎横の倉庫をリノベーションし、電車の部品や難波駅に設置されていた路線図を内装として活用。
駅とその周辺を一体的にリノベーションし「おにぎりスタンド」を整備する。
ホームから見える店内に「かまど」を3台設置し、かまどで炊いたおにぎりなどを提供するという。
開業時期は2019年11月初頭予定、運営委託先は株式会社海南社(和歌山県海南市、半田雅義代表)。

「高野下」駅では、大正建築の近代化産業遺産である駅舎をリノベーションし、全国的にも珍しく関西初となる「駅舎ホテル」を整備。
のどかな自然に囲まれた客室からは、不動谷川やホーム、列車を眺めることが可能で、電車の部品を内装として活用する。
名称は「the EXPerience station inn Koya-shita(仮称)」、開業時期は2019年11月初頭予定、運営委託先は株式会社キリンジ(大阪市天王寺区、天川洋介代表)。