【ニュース】 福山市とKDDI、観光関連施設で多言語音声翻訳システムの社会実証に向けた覚書を締結、2018年3月まで市内施設で実証 広島県福山市

2017.12.15
福山市(枝広直幹市長)とKDDI株式会社(東京都千代田区、田中孝司社長)は12月11日、多言語音声翻訳システムの実証と地域の観光振興を目的に、社会実証の実施に向けた覚書を締結した。
これにより、同市内の観光関連施設では、12月15日から多言語音声翻訳システムが利用可能となっている。

同市では、2017年10月に同市鞆町の福禅寺対潮楼が所有する朝鮮通信使関係史料「朝鮮通信使に関する記録」がユネスコ記憶遺産に登録されたことから、今後さらに外国人観光客数が増加すると予想。

一方KDDIは、GPSによって現在地の固有名詞に適した地名の翻訳を行う機能により、同社会実証で高い翻訳精度を実現するとともに、言語だけでなく目的地のイメージ画像や映像も表示する。
また、実際に利用してもらうことで多言語音声翻訳システムの課題を抽出し、訪日外国人旅行者の満足度や安心感の向上、観光客数増加やリピート率の上昇、観光等による地域経済への波及に寄与するための取り組みを進めていくとしている。
20171215福山市

今回の同社会実証は、総務省委託研究開発「グローバルコミュニケーション計画の推進 -多言語音声翻訳技術の研究開発及び社会実証-」の一環として実施するもの。
多言語音声翻訳システムは、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)が開発した技術を活用し、KDDI総合研究所の技術支援を受け、KDDIが構築している。
英語、中国語(簡体中文)、韓国語の翻訳に対応しているという(2017年11月16日現在)。

なお両者は、同社会実証のほかにも「5Gを見据えた基地局収容型LED街路灯の実証実験」を2017年10月より開始しており、今後も地域復興・地方創生を推進するための取り組みを進めていくという。

社会実証の実施期間は2017年12月15日~2018年3月5日(予定)。
今回の実証では、訪日外国人観光客が観光関連施設で従業員とどのようにコミュニケーションをとっているかを調査、分析し実態を把握するほか、観光関連施設に対しインタビューやアンケート等を実施、多言語音声翻訳システムの利用者側からみた課題等などを把握する。
実証場所は、JR福山駅観光案内所(三之丸町)、福山市鞆の浦歴史民俗資料館(鞆町)、鞆の浦観光情報センター(鞆町)、鞆の浦 a cafe(トモノウラ・ア・カフェ、鞆町)。