【ニュース】 四国交通とヤマト運輸、三好市内を運行する路線バスで「客貨混載」を11月より開始、徳島県内初 徳島県三好市
2017.10.26
四国交通株式会社(徳島県三好市、平野正治社長)とヤマトホールディングス傘下のヤマト運輸株式会社(東京都中央区、長尾裕社長)は、三好市内を運行する路線バスで徳島県内初となる「客貨混載」を11月1日より開始する。
三好市の西祖谷・東祖谷地区は、この20年間で人口が約56%減少。
高齢者を中心とした山間地域の住民にとって、路線バスのネットワークを維持することは、地域における重要な課題となっている。
四国交通は阿波池田バスターミナルを中心に、大阪・神戸への高速路線バスのほか、三好市や東みよし町でローカル路線網を広げており、山間地域での路線網維持が課題となっていた。
一方、ヤマト運輸は、全国の自治体や企業と連携し、路線バスによる「客貨混載」に全国各地で取り組んでいる。
今回取り組みを開始する三好市では、セールスドライバーの移動距離が長く、業務負荷が大きいため、より効率的なネットワークの構築を模索していた。
客貨混載は、岩手県(2015年6月~)・宮崎県(2015年10月~)・北海道(2016年9月~)・熊本県(2016年10月~)・兵庫県(2017年6月~)・長野県(2017年10月~)・和歌山県
(2017年10月~)の各地域で実施しており、実験的な取り組みも、愛知県豊田市(2017年8月~)・奈良県(2017年9月~)の各地域で実施している。
今回の取り組みでは、路線バスで宅急便を輸送するため、座席の一部を荷台スペースに改造した車両を、四国交通本社から祖谷地区の間で運行する。
ヤマト運輸のセールスドライバーが西祖谷地区と東祖谷地区へ届ける荷物を、四国交通本社でバスに積み込み、西祖谷中学校前バス停と和田上バス停で、各地域を担当するセールスドライバーに引き渡す。
このバスは「つながる未来バス」と名付け、客貨混載専用のバスとわかるような方向幕、看板などを施す予定だという。
これにより、地域住民はバス路線網が維持され、安定的に路線バスを利用できるようになるほか、ヤマト運輸のセールスドライバーが集配地域に滞在できる時間が増えるため、当日発送の集荷締め切り時間が延長されるなど、宅急便のサービス向上にもつながるとしている。
また、四国交通は、路線バスの空きスペースで宅急便を輸送することで、バス路線網の維持につながる新たな収入源を確保。
一方ヤマト運輸も、移動時間を大幅(約1.5時間)に削減でき、集配効率が向上することで休憩時間が取りやすくなるなど、働く環境の改善が見込まれるほか、1日のトラック走行距離を約100km削減することができ、燃料費やCO2排出量の削減にもつながるとしている。