【ニュース】 浪江町と住友商事、「水素の利活用及びまちづくりに関する連携協定書」を締結、コンセプトは「世界が真似したくなるエネルギーシフトを、浪江町から」 福島県浪江町

2021.01.26
福島県浪江町(吉田数博町長)と住友商事株式会社(東京都千代田区、兵頭誠之社長)は1月25日、「水素の利活用及びまちづくりに関する連携協定書」を締結した。

2011年3月に発生した東日本大震災と原子力発電所事故から約10年が経とうとしている中、甚大な被害を受けた同町では、道路等の復旧や生活環境を含めた復興は徐々に進捗しているものの、町内居住人口は震災前の1割程度に留まっているという。

同町は2020年3月5日、ゼロカーボンシティ宣言を行い、水素をはじめとする再生可能エネルギーの地産地消を復興の柱の一つに掲げている。

両者は今後、同町がもともと持っている恵まれた自然や歴史・文化、復興の取組みとして進められている先端的な産業創出や様々なチャレンジと、同社が持つ多様な分野の専門的・技術的知見を有する人的資源や情報網との協働により、様々な関係者と共に、持続可能で賑わいのあるまちづくりを目指す。
コンセプトは「世界が真似したくなるエネルギーシフトを、浪江町から」。

同社は、水素利活用による新しい価値を地域の人々に実体験してもらうため、まずはマルチ水素ステーションを設置し、FCモビリティ(乗用車・バス・トラック・自転車等)を町の足として導入。
そのための事業化調査を両者が共同で推進し、事業経済性の評価に加え、地元企業を含めた事業パートナー候補との連携を進める。
また、町の施設や家庭、更には農業や漁業等、まちづくりと一体となった水素の利活用を促進すると共に、需要に合わせた水素製造についても具体的に検討するという。

また、同社が企画・運営するオープンイノベーションラボ
「MIRAI LAB PALETTE」(東京都千代田区)が持つ機能を活かし、同町が整備を検討している拠点作りに設計段階から参画。
町の未来を創るソフトとハードを一体的に運営するための一貫したノウハウを提供することで、産官学民が一体となり、持続的な発展を支える「人の流れ」を作るとしている。