【ニュース】 キツ商会、伝統製法の「大屋納豆」を約50年ぶりに復活、ネットショップ限定で「秋田の大屋納豆」の販売を開始 秋田県横手市

2021.01.25
株式会社キツ商会(秋田県横手市、阿部久和社長)は、無農薬の藁に自生する天然納豆菌で大豆を発酵させる伝統製法の「大屋納豆」を約50年ぶりに復活、1月20日より、ネットショップ限定で「秋田の大屋納豆」の販売を開始した。
全国的にも珍しい天然菌での納豆製造と、ソーシャルビジネスを組み合わせることで、障害者の経済的自立と地域の活性化を図る。

横手市大屋地区は平安時代後期、後三年の合戦の際に源義家が食糧の煮大豆を発酵させてしまい、香り高い納豆が偶然生まれたことから、「納豆発祥の地」と言い伝えられている。
現在市場に出回っている藁納豆は、人工培養の納豆菌で発酵させたものが殆どだが、大屋納豆は無農薬栽培の大豆と藁を使用、藁に棲む天然納豆菌の発酵力だけで製造するという。

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大屋納豆の特徴は、藁が納豆の匂いを吸収するため、現代の納豆よりもほのかで上品な香りを楽しめる点。
大屋地区では伝統製法の納豆づくりが昭和40~50年代頃に途絶えてしまったが、同社では代表の曾祖母・キツさん(写真)から受け継いだ技術を基に、伝統の味を復活。

天然菌で納豆を製造するには、無農薬の藁を多量に使用し、藁の乾燥・収集・選別・藁筒への加工などで多くの人手を必要とする。
手作業が多く、多様な工程があるからこそ、同社では生産現場で障害者が活躍できると考え、初めに納豆製造工場を設立、大屋納豆の製造を開始。
地域の障害者施設と連携し、藁の加工を委託、その納豆はインターネットを通じて全国販売し、売上が確保できれば、障害者就労支援施設を立ち上げ、その施設に多様な業務を委託するという。
障害者の給与は施設の利益から、支援する施設職員の給与は国の支援費からという、持続可能な事業モデルを目指す。

商品名「秋田の大屋納豆」の価格は税込2,500円。
購入場所は同社ネットショップ限定販売。