【ニュース】 富士屋ホテル、耐震補強・改修工事を2020年5月に完了、142年目の創業記念日となる2020年7月15日にグランドオープン 神奈川県箱根町

2019.12.18
富士屋ホテル(神奈川県箱根町、溝田正憲総支配人)は、約2年間に及ぶ耐震補強・改修工事を2020年5月に完了、142年目の創業記念日となる2020年7月15日にグランドオープンする。
今回の工事では、建物の柱間に補強材を入れるほか、壁中にブレースを入れるなど構造部の強化を施し、文化的価値を優先し、復原を実施したという。

同ホテルは1878年(明治11年)に創業。
1997年に本館など6施設が国の登録有形文化財に指定されたほか、2007年には本館など7施設が経済産業省の近代化産業遺産に認定されている。
2018年より、耐震補強・改修工事のため、一時休館していた。

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グランドオープン後の建物のうち、1891年(明治24年)建築・登録有形文化財の本館は、社寺建築を思わせる入母屋造りの瓦葺大屋根、唐破風の玄関が特徴で、洋風建築でありながら外観の装飾などは日本的。
今回の改修では、昭和40年以前の位置にフロントカウンターを移設・復原し、姿を消したラウンジの一部(オーシャンビューパーラー)を復刻させる。

1906年(明治39年)建築・登録有形文化財の西洋館は、鎧戸付き上げ下げ窓、唐破風の玄関といった特徴的な外観を持つ洋館で、本館同様、関東大震災の被災を免れ、明治時代の面影を最もよく遺す建物。
今回の改修工事の過程で、創建当時と思われる漆喰壁の色が判明、一部の客室ではその色(桃色)を忠実に再現したという。

1930年(昭和5年)建築・登録有形文化財の食堂棟は、皇室御用達建築家・木子孝三郎が手掛けた建物。
今回の改修工事では、天井画で文化財補修の専門家による復原作業を実施、レストランや客室、ロビー等の椅子や家具も専門の再生工房に修復を依頼し、復原した。

富士屋ホテルの所在地は神奈川県足柄下郡箱根町宮ノ下359。
敷地面積は2万5,089㎡、延床面積は1万7,935㎡。
総客室数は120室(改修前148室)、料飲施設数は5施設、宴会場は1室。