【ニュース】 大井川鐵道、土砂災害による運休区間で3月11日より平常運転を再開、922日ぶりに井川線が全線開通 静岡県静岡市

2017.01.12
大井川鐵道株式会社(静岡県島田市、前田忍社長)は、土砂災害により運休していた井川線「千頭」~「井川」間で、3月11日の初列車より平常運転を再開する。

井川線(愛称:南アルプスあぷとライン)は、「千頭」(静岡県川根本町)と「井川」(静岡市葵区)を結ぶ25.5kmの路線。
2014年9月2日に「閑蔵」駅(静岡市葵区)付近で起こった土砂崩れにより、「千頭」~「接岨峡温泉」(静岡県川根本町)の15.5kmで折り返し運転を行っていたが、このほど復旧工事完了の目処が経ったという。
井川線は922日ぶりに全線が開通する。
20170112大井川鐡道

2014年9月2日、巡回中の係員が「閑蔵」駅の南およそ600m付近で崩れた土砂が線路を覆っているのを発見。
当初、土砂はおよそ200㎥と見られたが、二次災害も想定されたことから、復旧作業は慎重に進めなければならず、復旧までにおよそ2年半の期間を要した。

今回開通する区間の見どころは、秘境駅として知られている「尾盛」駅~「閑蔵」駅間にあり、川根本町と静岡市との境界・関の沢川に架かる「関の沢橋梁」。
長さは114mだが、河床からの高さが70.8mで、鉄道橋としては日本一の高さとなる。
左右の車窓をゆっくり楽しめるよう、井川行きのみ徐行運転を行う。

また、「閑蔵」駅~「井川」駅間には、眼下に大井川のV字渓谷が広がり、「東海の黒部」とも言われる区間があるという。

なお同社では、3月11日・12日の2日間、千頭駅をメイン会場に「SLフェスタin千頭」を開催予定。
3月18日には地元自治体と共に「全線開通記念式典」を行う予定だという。