【ニュース】 伊賀市・近畿日本鉄道・伊賀鉄道の3者、平成29年4月より伊賀線を公有民営方式へ移行 三重県伊賀市

2015.03.30
伊賀市・近畿日本鉄道株式会社・伊賀鉄道株式会社の3者は3月27日、伊賀線の今後の事業形態について確認書を交換したと発表した。
伊賀線は平成19年10月より、近畿日本鉄道が第三種鉄道事業者、伊賀鉄道(近畿日本鉄道・伊賀市による共同出資)が第二種鉄道事業者となり、鉄道事業を営んできた。
今後は、平成29年4月より、近畿日本鉄道に代わって伊賀市が第三種鉄道事業者となり、「公有民営方式」へと移行する。


伊賀線では、平成28年度まで、伊賀鉄道の運営に伴い発生する赤字について、近畿日本鉄道と伊賀市が支援する枠組みで事業を行なう。
しかし、同線の事業環境がますます厳しくなる見通しであることから、平成29年度以降の伊賀線の事業形態について、三重県も交え、伊賀市・近畿日本鉄道・伊賀鉄道が検討を重ねてきたという。
検討の結果、3者は「公有民営方式」に合意、今回の確認書の交換に至った。
今後は平成27年度中に地域公共交通網形成計画を策定、国へ送付し、鉄道事業再構築実施計画を策定する。
平成29年4月より、公有民営方式での運営を開始する予定としている。
公有民営方式とは、鉄道用地・施設などを自治体が所有し、それらを鉄道運行事業者に無償で使用させる方式で、「上下分離方式」と呼ばれている。
第二種鉄道事業者とは、第三者の線路を使用して鉄道事業を営む者。
第三種鉄道事業者とは、線路を所有し、第二種鉄道事業者に当該線路を使用させる者をいう。
伊賀鉄道の営業キロ数と駅数などは、伊賀上野・伊賀神戸駅間16.6km、14駅、軌間は1.067m。
平成25年度実績は輸送人員が年間164万人、輸送密度は1日2,811人。
営業収入は2億5,400万円、経常損益は△3億1,600万円。
資本金は5,000万円(出資割合は近鉄98%、伊賀市2%)。