【ニュース】 インテックと伊那市、高校生を中心とした同市内での人流解析の実証実験を3月まで実施、人流データと地域のデータを組み合わせて可視化 長野県伊那市
2024.02.19
TISインテックグループの株式会社インテック(富山県富山市、北岡隆之社長)と伊那市(白鳥孝市長)は、高校生を中心とした同市内での人流解析の実証実験を2024年3月まで実施する。
両者は2023年5月、「新しいまちづくりに関する連携協定」を締結し、同市独自のスマートシティの構築や地域ブランドの創出に向け、取り組みを開始。
今回の同実証実験は、その取り組みの一環として実施するもの。
同市には現在、公立高校が4校、私立高校が1校あり、市内・市外(長野県上伊那郡内)から高校生が通学している。
一方で、同市内を通るバス路線は縮小傾向にあり、親が自家用車で送迎しているケースが少なくなく、高校生をはじめ自家用車を持たない市民の移動の自由度や生活満足度が下がることで、高校生を抱える家庭の市外への流出などが懸念されているという。
こうした中、両者は今回、地域の生活動態に基づいた若い世代に魅力的なまちづくりを行うことを目的に、同市内の3つの高校と公共交通拠点での人流解析を行い、地域のデータを組み合わせて可視化する同実証実験を実施。
具体的には、同社が提供する「エリアデータ利活用サービス」を利用し、計測器(Wi-Fiパケットセンサ)を同市内11箇所に設置、スマートフォン等の通信機が発する情報を受信することで、計測器周辺にあるWi-Fi機能をオンにした通信機の台数や移動、滞留を計測する。
これらを公共バスなど地域の公開データと組み合わせて可視化し、今後のまちづくり政策に活用できるかを検証するという。
実証実験の期間は2023年12月~2024年3月(センサ設置期間は
2023年12月19日~2024年2月22日予定)。
なお、「エリアデータ利活用サービス」を利用したデータ可視化の途中経過(2024年1月末時点)では、センサ設置個所での時間ごとの滞留データ、同市のオープンデータや公開されている学校要覧などから得られたデータ、公共交通の現在の路線及びダイヤ、廃線になった路線、JR飯田線各駅の有人・無人状況をアイコン化したデータなどから、データを組み合わせて可視化することで、公共交通を利用した通学のしやすさや、地域の通学実態の理解促進に有効活用できることが分かったという。
今後は、今回収集したデータの解析とともに同市民へのアンケートを行い、データ結果を踏まえ、同市のまちづくり政策や公共交通政策検討につなげていくとしている。