【ニュース】 JR東海など、カーボンニュートラル実現に向け「水素動力車両」を開発、「燃料電池」に加え、鉄道では国内外で事例のない「水素エンジン」の活用も検討 愛知県名古屋市
2023.11.17
東海旅客鉄道株式会社(名古屋市中村区、丹羽俊介社長)は2023年11月16日、カーボンニュートラル実現に向けた「水素動力車両
」の開発について発表した。
同社は、2050年カーボンニュートラルの実現に向けた取組みの一環として、軽油を燃料とするディーゼル車両から排出されるCO2を実質ゼロにする技術の開発に取り組んでいる。
その手段として、次世代バイオディーゼル燃料の試験を行っており、併せて水素を燃料とした「水素動力車両」の開発も目指しているという。
水素を燃料とした動力源については、既に発表している「燃料電池
」に加え、鉄道では国内外で事例のない「水素エンジン」の活用も検討。
今後は、燃料電池又は水素エンジンを動力源とした鉄道車両の走行性能や、山間部が多く長距離となる同社の非電化路線への適合可能性等を検証するため、小牧研究施設(愛知県小牧市)にある車両走行試験装置と、水素供給設備を組み合わせた模擬走行試験を実施する。
車両開発については、JR東海と日本車輌製造株式会社(名古屋市熱田区、田中守社長)が共同で行う。
車両制御装置は、水素動力ハイブリッドシステム用の制御装置を東芝インフラシステムズ株式会社(川崎市幸区、今野貴之社長)と開発しており、燃料電池はトヨタ自動車株式会社(愛知県豊田市、佐藤恒治社長)製の燃料電池モジュールを使用する。
鉄道車両用の水素エンジンは、i Labo株式会社(東京都中央区、太田修裕代表)と開発、将来の水素供給体制についてはENEOS株式会社(東京都千代田区、齊藤猛社長)と検討を開始するという。
今後は、2023年11月に燃料電池を活用した模擬走行試験、2024年度以降に水素エンジンを活用した模擬走行試験を予定している。