【ニュース】 内藤鋼業など、「内子龍王バイオマス発電所」の建設に着手、地元産材を活用した木造発電所の熱を地域の交流施設で有効活用 愛媛県内子町
2022.04.27
有限会社内藤鋼業(愛媛県内子町、内藤昌典社長)・株式会社サイプレス・スナダヤ(愛媛県西条市、砂田和之社長)・株式会社竹中工務店(大阪市中央区、佐々木正人社長)・三洋貿易株式会社(東京都千代田区、新谷正伸社長)・大日本コンサルタント株式会社(東京都千代田区、新井伸博社長)の5社は、木質バイオマス発電の事業化に向け、2022年5月より、「内子龍王バイオマス発電所」(愛媛県内子町)の建設に着手する。
事業主体は2021年9月に5社が共同出資で設立した株式会社内子龍王バイオマスエネルギー(内藤昌典社長)。
同発電所では、内子町森林組合に出材された原木約3,600t/年の間伐未利用材によって製造されたペレットを燃料に使用。
発電した電力は、固定価格買取制度(FIT制度)を利用し、四国電力送配電に全量売電するとともに、発電の際に発生する熱は隣接する内子町龍王公園内の「オーベルジュ内子」と「フィットネス
Ryuow」の2施設に供給する計画としている。
これにより、エネルギー効率を発電のみの30%から75%に高めるという。
発電システムには、ブルクハルト社(独)製の小型高効率木質バイオマス熱電併給装置を採用。
木質ペレットについては内藤鋼業小田ペレット工場より調達する計画で、その稼働実績を活かした安定的で確実な施設運営を目指す。
発電所建屋は、町産材による木造建築とし、内子町景観まちづくり条例に配慮したデザインとする。
部材には、サイプレス・スナダヤで製作されたCLTを積極的に活用、「観光資源として見せる発電所」を計画した。
なお内子町では、2007年に掲げたバイオマスタウン構想に則り、町内各所でバイオマス利活用が進んでいる。
事業主体の内子龍王バイオマスエネルギーは、同町からの各種支援に加え、地元企業20社からの優先出資なども受けており、地域が一体となって事業実現に関与する仕組みを導入することで、地域内に新たなエネルギーと経済の循環を構築するとしている。
「内子龍王バイオマス発電所」の所在地は愛媛県喜多郡内子町内子1365番地。
敷地面積は797㎡、建築面積は181㎡、構造は木造。
出力は電気330kW、熱500kW。
発電開始予定は2022年10月。