【ニュース】 阿佐海岸鉄道、線路と道路両用の乗り物「DMV」の世界初となる営業運行を開始 徳島県海陽町

2022.01.04
四国の東海岸、徳島県南部から高知県東部を走る阿佐海岸鉄道株式会社(徳島県海陽町、三浦茂貴社長)は2021年12月25日、線路と道路両用の乗り物「DMV(デュアル・モード・ビークル)」の世界初となる営業運行を開始した。

「DMV」は、列車が走る線路と道路の両方を走行できるように開発された車両。
「阿波海南」駅(徳島県美波町)~「甲浦(かんのうら)」駅(高知県東洋町)間を鉄道として運行し、終着駅「甲浦」駅で車両をバスに切り替え、スロープを降りて道路を走る。
バスとなったDMVは、「海の駅 東洋町」を経由し、土・日・祝日は室戸岬まで走るという。

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阿佐海岸鉄道は、徳島県と高知県、沿線自治体などが出資する第三セクター鉄道として1988年に開業。
1992年には年間利用者が18万人に達したが、沿線の過疎・高齢化により近年は5万人前後に低迷している。

こうした中、同社では、窮地に立たされたローカル鉄道を維持するため、「DMV」の導入に注目。
DMVでは、車両の開発や線路の設備などにコストをかけず走らせることができるという。
国鉄時代から構想があった、甲浦から室戸方面へ鉄道を走らせるという「夢」もバスという形で実現、持続的な地域の暮らしを守る新たな乗り物だとしている。

開通初日の12月25日には、「海の駅 東洋町」(高知県東洋町)で記念セレモニーが開催され、地元特産のぽんかんジュースの鏡開きや、ぽんかんの配布などが行われた。