【ニュース】 川越市、市内の歴史的建造物2件で12月よりワーキングスペースの実証実験を実施、歴史的建造物の新たな活用の可能性を検討 埼玉県川越市

2020.12.09
川越市は、国の「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」を活用し、市内の歴史的建造物(景観重要建造物等)2件で、2020年12月よりワーキングスペースの実証実験を実施する。

同市はこれまで、まち・ひと・しごと創生総合戦略と、川越市歴史的風致維持向上計画に位置づけられた「歴史的建造物再生・利活用マネジメントサイクルの構築」に取り組んできた。
具体的には、民間活力を活かし、包括的に歴史的建造物を保存・活用する中間組織と資金調達手法の具体化等の検討を行っており、令和元年度の「歴史的建造物所有者と活用希望者等のマッチング方式の構築業務」では、地域金融機関と民間企業を中心とした事業スキームが提示され、実現性も検証されたという。

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今回は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けている地方経済や住民生活の支援と、「新しい生活様式」等への対応を図る観点も踏まえ、リビングシフト等に代表される都市と地域の両方の良さを生かして働く・楽しむスタイルの開拓を行うため、同実証実験を実施することで、歴史的建造物の新たな活用の可能性を検討する。

事業スキームの具体的な実現のため、市が指定する外観の保存を主目的とする歴史的建造物(景観重要建造物等)を具体的な事例とし、所有者と事業者によるマッチングイベントを実施。
マッチングされた案件について、金融機関・ファンド・建築関係者等の専門家の連携による検証を行い、具体的な保存活用を促進する。

さらに、新しい生活様式も踏まえ、同市が整備予定の文化創造インキュベーション施設(旧川越織物市場整備事業)への入居が想定される、ものづくりのクリエイター等の需要や、卒業後に活躍する場としての市内歴史的建造物の需要も調査し、同施設と歴史的建造物の活用方策を分析検討するという。

なお、実証実験の目的と新型コロナウイルス感染症対応のため、ワーキングスペースの使用については、建物所有者と関係者が事前に協議、選定されたモニターが使用する予定。