【編集部取材】 川崎市で民泊に取り組む行政書士の梅本誠氏、比較住宅都市研究会で空き家・空き物件の有効活用としての民泊の在り方について発表 神奈川県川崎市

2017.07.31
川崎商工会議所民泊研究会を主催する行政書士の梅本誠氏は7月28日、東京都渋谷区の八雲クラブで開催された比較住宅都市研究会(主宰:海老塚良吉氏)で、空き家・空き物件の有効活用としての民泊の在り方について発表を行った。

日本では2017年6月、住宅宿泊事業法(民泊新法)が成立。
これにより、民泊については、既存の旅館業法での「簡易宿泊営業」、2016年に東京都大田区でスタートした「特区民泊」に続き、三つの制度が並立することになった。
民泊新法では、基準が緩和され、住宅街でも営業が可能となることから、増大するインバウンド需要への対応や、既存の空き家・空き物件の有効活用といった点から期待が寄せられている。
20170731民泊

同発表で梅本氏は、大田区の特区民泊では、5泊6日以上の利用に限られていることなどから、思ったほど普及せず、42件に留まっている点を指摘。
また、民泊新法では、1泊2日から利用可能となっているものの、年間営業の上限が年間180日とされている点で、「営利目的での民泊は事実上不可能」と指摘した。

一方、同発表では、もともと日雇い労働者向けだった川崎市日進町の簡易宿所を民間企業が買収、リノベーションし、民泊事業に参入する動きが始まっている事例を紹介。

さらに同氏は、川崎大師商店街で、老舗の空き社員寮を活用した民泊の相談も受けているという。
民泊新法では年間の営業が180日に制限されるが、この社員寮は、繁忙期に出稼ぎのアルバイトスタッフが利用している期間以外は空き部屋となっているため、年間180日という制限は問題とならず、また民泊新法ではフロントの設置が不要であるなど、大規模なリフォームも不要となる。
ただ、こうした案件は前例が無いこと、自治体が条例を制定しないと届出業務が出来ないことなどから、現況では行政が及び腰になっているという。

クリアすべき課題は少なくないが、こうした民間の動きが大きなうねりとなり、「川崎モデルの民泊」として普及させたいという、同氏の意気込みが感じらる発表だった。