【ニュース】 佐賀大学農学部など、夜間での無農薬害虫駆除を目指した実証実験に世界で初めて成功 佐賀県佐賀市

2016.06.17
国立大学法人佐賀大学農学部・佐賀県農林水産部、株式会社オプティム(東京都港区、菅谷俊二社長)の3者は6月16日、殺虫機能搭載の
「アグリドローン」を活用し、夜間での無農薬害虫駆除を目指した実証実験に世界で初めて成功したと発表した。

「アグリドローン」は、3者連携協定の取り組みの中で、オプティムが開発したもの。
病害虫が発生している箇所を自動で解析し、ピンポイントで農薬を散布することで、不必要な箇所への農薬散布をせず、農作物を育てることができるとしている。
夜行性の害虫が活発になる夜間にドローンを飛ばし、極力農薬を使わずに害虫駆除を行うことで、「夜の農業革命」を目指す。
なお、これらで活用される新しい技術群に関しては特許出願を行っているという。

3者では、夜行性の害虫は、天敵の鳥を避けて昼間の間は葉の裏に潜り、夜間表面に出てきて活動することが多い特性をもっているため、夜間に殺虫器を使うことで、効果的かつ農薬を使わず害虫を取り除けるのではないかと仮説。

同仮説を検証するため、佐賀大学農学部附属アグリ創生教育研究センターの圃場で、「大豆」「さつまいも」の上空で殺虫機能搭載の「アグリドローン」を飛ばし、夜間に無農薬害虫駆除の実証実験を実施、世界で初めて成功した。

殺虫できた害虫を調査したところ、夜行性の甲虫、ガ、ユスリカ、ウンカなど、約50匹程度を殺虫することができたという。
この中には、産卵孵化後に作物に対して影響を及ぼす害虫も含まれており、同仮説の有効性を確認することができたとしている。