【ニュース】 フージャースコーポレーション、京都市指定有形文化財「長江家住宅」を取得、立命館大学などと連携し、文化財の継承・維持・保全のネットワークを形成 京都府京都市

2015.06.02
フージャースホールディングス傘下の株式会社フージャースコーポレーション(東京都千代田区、藤井幸雄社長)はこのほど、京都市指定有形文化財「長江家住宅」を取得した。
併せて、立命館大学との間で覚書を締結、同住宅の保全と活用に関する事項・地域のまちづくりに関する事項・人材育成に関する事項等に関し、同大学と連携・協力する。
今回の取り組みは、同社が同住宅の土地建物を所有し、同大学がこれを保全・活用し、さらに京都市と京都市景観・まちづくりセンターがサポートするというもの。
同住宅は、祇園祭「山鉾町」のひとつ「船鉾町」に位置することから、同社は公益財団法人祇園祭船鉾保存会との間でも、別途連携・協力の覚書を締結。
また同大学では、これまで継続的に京町家や船鉾、同住宅に関する調査研究を行ってきた。
文化財の継承・維持・保全のネットワークを形成した今回の取り組みは、「産学公連携」という点で先進的であり、これまでにない新しい取り組みだという。
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長江家住宅は、京都市下京区新町通綾小路通下ル船鉾町に位置し、中二階型の主屋を南北二棟持つ大型京町家。
長江家は1822(文政5)年に転居し、現在の北棟の土地に店舗兼住居を構えた。
1864(元治元)年、禁門の変により当時の主屋は焼失するが、1868(慶応4)年に現在の北棟が再建され、その後1905(明治40)年に南棟が新築され、現在の姿になったという。
長江家は代々呉服の卸を営み、建物だけでなく明治以降の商い道具や生活用品等、貴重な品々が受け継がれている。
建物は職住一体型の典型的な町家の佇まいを今に伝える数少ない京町家で、2005(平成17)年には京都市指定有形文化財(建造物)に指定された。
建物は間口7間、奥行30間、面積200坪(700㎡)余。