【編集部取材】 日本メインストリートセンター、比較住宅都市研究会でアメリカの中心市街地活性化プログラム「メインストリートプログラム」について発表 東京都渋谷区

2015.04.23
一般社団法人日本メインストリートセンター(東京都千代田区)の内藤英治副理事長は4月22日、東京都渋谷区の八雲クラブで開催された比較住宅都市研究会(主宰:海老塚良吉氏)で、アメリカのメインストリートプログラムの現況と、日本での導入例などについて発表を行った。
メインストリートプログラムとは、1977年にアメリカで開発された中心市街地活性化プログラム。
アメリカの2,000地区以上で導入され、1,200箇所で成果を上げている。
同センターでは、アメリカのノウハウを日本の実情に適応させるため、10年間にわたる実践を経て、日本版メインストリートプログラム「街なか通り再生プログラム」を完成させたという。
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メインストリートプログラムでは、「プロモーション」「活性化のための組織づくり」「魅力的な環境デザイン」「持続的資金づくり」の4つを、バランス良く包括的に実施する。
プログラムの実施には、最低でも3年はかかるという。
日本ではこれまで、イベントなどの「プロモーション」のみに比重が置かれ、活性化の施策という点ではバランスを欠いていた。
日本版メインストリートプログラム「街なか通り再生プログラム」では、プログラムの基本的な考え方を理解する段階、将来ビジョンと組織づくりを実施する段階、再生マネージャーとともにデザインやプロモーションを実施する段階、継続的な経済対策の実施段階の4つのラウンドを設定。
合わせて、スタートから成功に至る過程を30のチャートに細分化し、街なか再生に向けた道筋を見える化した。
同センターでは、再生指導者を派遣、再生マネージャーの現地育成を図っているという。
なお、今回の発表では、「組織づくり」に関する人選方法や適任者などの事例が示されたほか、歴史や地域アイデンティティを活かしたリノベーション、持続的資金づくりの方法などについても事例が紹介された。
アメリカでは、商店街の寿命は20年と言われているが、こうした周期に合わせたリノベーションで「再生」している例があるほか、一度消滅しかけた商店街が独自の工夫で「優良店」を誘致し、息を吹き返した例もあるという。
アメリカで生まれ、日本で「街なか通り再生プログラム」として昇華した同プログラムが今後どのように普及していくのか、注目されるところであろう。