【ニュース】 エルナーと青森県産業技術センター、リンゴ剪定枝由来活性炭を活用したコンデンサを共同研究、バイオマス資源を有効活用 青森県黒石市
2015.07.10
エルナー株式会社(神奈川県横浜市、吉田秀俊代表)と地方独立行政法人青森県産業技術センター(青森県黒石市、渋谷義仁理事長)はこのほど、リンゴ剪定枝由来活性炭を活用したコンデンサの高機能化と、その量産化に向けた共同研究に関する契約を締結した。
農林水産業を基幹産業とする地域では、バイオマス資源が豊富に存在するものの、収集に多大な労力・コストがかかることもあり、その有効活用が進んでいないことが社会的課題となっていたという。
こうした中、青森県産業技術センターの工業総合研究所(青森県青森
市、奈良岡哲志所長)は、県内で年間約10万トンも発生しているリンゴ剪定枝に着目。
これを空気清浄機用脱臭フィルタ等で活用する活性炭へ加工する技術の確立に取り組んできた。
より付加価値の高い活性炭を開発するため、電気二重層コンデンサ等の電気化学素子への適用検討も模索していたという。
一方エルナーは、自社電気二重層コンデンサの電極部材として使用する活性炭の評価を、子会社・エルナー東北株式会社(青森県黒石市、平岩正行代表)内で行っていた。
このほど、青森県産業技術センターより提供を受けたリンゴ剪定枝活性炭を電極材料として加工、コイン型電気二重層コンデンサに適用し評価したところ、現行活性炭製コンデンサとの比較で、静電容量およびESR
(等価直列抵抗)がほぼ同等の性能を有していることを確認したという。
今後両者は、このユニークな物性を有するリンゴ剪定枝活性炭を電気二重層用コンデンサ電極やリチウムイオンキャパシタ正極に適用し、種々電解液と組み合わせ、より充放電性能に優れた電極設計を実施。
主に車載電装用途向けに高機能電気化学素子(コンデンサ)を開発、量産化を目指すとしている。