【ニュース】 東急不動産と電気通信大学など、昨年度に引き続き倶知安町内で「雪発電」の実証実験を実施 北海道倶知安町
2025.02.21
東急不動産株式会社(東京都渋谷区、星野浩明社長)・株式会社東急不動産R&Dセンター(東京都渋谷区、大川朋宏社長)・国立大学法人電気通信大学(東京都調布市、田野俊一学長)の3者は、昨年度に引き続き、北海道倶知安町内で「雪発電」の実証実験を実施する。
「雪発電」とは、高温熱源と低温熱源の温度差から発電するスターリングエンジンを用いた温度差発電のこと。
高温熱源には太陽熱、バイオマス熱など化石燃料に依存しない燃料から得られた熱エネルギーを、低温熱源には雪により冷却された不凍液を熱媒体として利用する。
不凍液は高温熱源からの熱エネルギーで90℃ほどに加熱され、その熱を道路・屋根などに積もった雪と熱交換で放出、雪を溶かすと同時に雪によって冷却されるという。
このサイクルを繰り返すことで、発電と広範囲の融雪の両立できる点が雪発電の特徴だとしている。
ニセコは、日照時間が短く、太陽光など再生可能エネルギーの取組みが難しい豪雪地帯だが、逆にこれまで資源と見なされなかった雪を活用した高効率な発電が可能。
この技術が実用化されれば、地域でのエネルギー自給の向上や環境負荷の低減にも大きく寄与するという。
今回は、昨年度1.0kWだったエンジンの発電能力を7.0kWに拡大、1日に最大で168kWhの発電を可能とした。
この雪発電を使用することで、約12軒分の電力量を供給できるとしている。
さらに今回は、新たな取り組みとして、発電施設を設置する建屋の屋根に積もった雪を融雪し、その融雪水を集水するシステムを考案し導入。
これにより、人力での雪下ろしを低減または不要とするだけでなく、得られた融雪水を集水・ろ過し活用することで、水不足という地域課題の解決にも寄与できる技術について検証するという。