【ニュース】 国立劇場おきなわ、球王国時代に首里城で取り行われていた「おもてなし」の芸能を再現する公演「朝薫五番とからくり花火」を10月14日~16日に3夜連続で上演 沖縄県浦添市

2022.10.12
公益財団法人国立劇場おきなわ運営財団(沖縄県浦添市、金城克也会長)は、琉球王国時代(300年以上前)に首里城で取り行われていた「おもてなし」の芸能を再現する公演「朝薫五番とからくり花火」を、国立劇場おきなわ(沖縄県浦添市)隣接の組踊公園特設舞台で2022年10月14日~16日の期間、3夜連続で上演する。

琉球王国ではその昔、新国王に冠を授けるために中国から海を越えて渡来する冊封使を「おもてなし」する為、首里城の御庭に「御城舞台(オシロブタイ)」という特設舞台を設置し、王府は踊奉行(オドリブギョウ)を設け、歓待接遇する芸能として三線音楽や舞踊、組踊が仕立てられた。
この時代の芸能を総称して「御冠船踊(オカンセンオドリ)」と呼んでおり、中でも「琉球国由来記」に記されている琉球の花火は、1556年に中国より伝来し、一度点火すると次々と仕掛けが変化し、火花が噴き出す「からくり花火」という独自の伝統を生んでいるという。

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今回上演する「御冠船踊」では、中国皇帝の使者「冊封使」を歓待するため、18世紀の初頭、組踊を創設した踊奉行・玉城朝薫による「朝薫五番」から、現在でも人気のある完成度の高い作品を上演。

また、1866年に王府より記録された「火花方日記(ヒバナホウニッキ)」をもとに、首里城の御庭で行われていた「からくり花火」も復元し、上演する。
火花を噴き出しながら姿を変える琉球王国独自の仕掛け花火で、琉球王国の繁栄をテーマに作成された、世界にも類を見ない花火だという。
今回上演する花火「四輪車」では、屋根の下から儒学者が乗る「四輪車」が出現するからくりを会場で堪能できるとしている。

演目は、10月14日が「執心鐘入」「女物狂」「からくり花火」、10月15日が「入子踊」「孝行の巻」「からくり花火」、10月16日が「銘苅子」「二童敵討」「からくり花火」。

なお、チケットは完売済だが、当日の天候により、野外で実施する場合は、当日券も販売する(当日券は「国立劇場おきなわ公式HP
」より要確認)。

また同施設では、令和4年度第3回企画展として、これまでに復元した3つのからくり花火と合わせ、「御冠船踊(オカンセンオドリ)」に関する資料を2022年12月18日まで1階資料展示室で展示する(入場無料)。