【ニュース】 JR九州と住友商事など、「でんきの駅川尻」を完工、系統用蓄電池として需給調整市場と容量市場に参入 熊本県熊本市

2024.03.22
九州旅客鉄道株式会社(福岡市博多区、古宮洋二社長)・住友商事株式会社(東京都千代田区、兵頭誠之社長)・住友商事九州株式会社(福岡市博多区、髙橋和之社長)が出資する「でんきの駅合同会社」(岡市博多区)は2024年3月21日、第1号案件「でんきの駅川尻」(熊本市南区)を完工した。

同施設では今後、設備の本格稼働に向け、各種試験を行った後、系統用蓄電池として需給調整市場(周波数制御や電力需給バランス調整を行うために必要な「調整力」を日本全体にわたって広域的に調達する市場)と容量市場(将来にわたる日本の電気の「供給力」を確保する市場)に参入するとしている。

同社などによると、再生可能エネルギーは日照、風などの自然条件によって発電量が大きく変化するため、再エネの普及・拡大の鍵を握るソリューションとして、電力系統の需給バランスを調整する系統用蓄電池の役割が重要になっているという。
特に、太陽光発電を中心に再エネ導入量の多い九州地域では、その役割が重要だとしている。

今回完工した同施設は、JR九州が管理する鉄道沿線地・遊休地を有効活用し、JR九州の保守管理ノウハウと住友商事グループの蓄電事業ノウハウを生かし、系統用蓄電事業を行うもの。
鉄道沿線地特有の土地形状に合わせた専用設計の「バッテリー・ステーション」システムを構築したほか、蓄電池は住友商事と日産自動車との合弁会社・フォーアールエナジー株式会社」が提供するEVバッテリーのリユースを定置用(電力事業用)として活用できるように、経済的価値の高い設計でシステム化した「EVバッテリー
・ステーション」を採用したという。

「でんきの駅川尻」の事業場所は熊本市南区川尻(鹿児島本線「川尻」駅、九州新幹線高架脇)。
事業開始は2024年9月(予定)。
定格出力は1.5メガワット。