【ニュース】 住友林業とカナイグループ、木造の小梁を鉄骨造やRC造の大梁や柱と接合する混構造用金物を発売 東京都千代田区

2024.02.05
住友林業株式会社(東京都千代田区、光吉敏郎社長)と株式会社カナイグループ(埼玉県八潮市、金井亮太社長)は2023年1月、木造の小梁を鉄骨造やRC造の大梁や柱と接合する混構造用金物を発売した。

同製品は、梁断面の大きさや構造上の要求性能に応じて6種類の規格を設け、特注が多い混構造の接合部で手間をかけずローコストな設計を可能とするもの。
工事現場での取り付けは、鉄骨造と共通の高力ボルト接合を採用できるため、木造の小梁を導入しやすくなるという。
両社は、こうした規格型接合金物の開発と普及を通じ、中大規模建築物の木造化を推進するとしている。

建設業界では、官民が脱炭素に向けた取り組みを加速する中、鉄骨造やRC造の中大規模建築に木造を一部取り入れた混構造が増えているという。
混構造の接合金物は、戸建て住宅などで使われている規格品では対応できず、その都度特注品が必要だったが、コストが高くなるほか
、設計業務や木材加工に多くの手間と時間を要すなど、建築物の木造化普及の妨げになっていたことから、両社は今回、共同で実験を重ね、汎用性が高く量産体制を整えた規格型接合金物を開発したとしている。

同製品では、木造小梁側の金物形状を規格化し、構造計算の結果に応じ6つの大きさから選択可能。
特注の金物と比較すると、生産の合理化で大幅なコストダウンが可能となるほか、規格化により、設計者は金物の形状やドリフトピンの太さ、本数などをその都度、計算する必要がないため、接合部の設計作業が省略できるとしている。

ドリフトピンは木梁下端に配置し、木材を下から支えて割裂破壊の発生を防ぐ形とし、両社の社内実験で高い性能を確認済だという。

同製品と鉄骨造やRC造との接合は、高力ボルトを使用するため、鉄骨梁と同じ組立手順・作業内容となり、接合金物と木造小梁はプレカット工場で事前に取り付け、現場の作業を増やさずに施工可能としている。

また、鉄骨と木材では、材料の違いから同じ耐火性能を確保するには耐火被覆が異なるため、接合部は納まり(部材の位置関係)に工夫が必要となるが、鉄骨と木材との接合部の耐火性能の検証を繰り返し、規格化したという。

なお同製品は、一般財団法人日本建築センターからBCJ評定を取得、第三者の評価を受けているとしている。