【ニュース】 北九州市、IHI、日本アイ・ビー・エムの3者、熱マネジメントによる北九州地域のグリーン・トランスフォーメーションの推進を目的に連携協定を締結 福岡県北九州市
2024.01.19
北九州市(武内和久市長)、株式会社IHI(東京都江東区、井手博社長)、日本アイ・ビー・エム株式会社(東京都中央区、山口明夫社長)の3者はこのほど、熱マネジメントによる北九州地域のグリーン・トランスフォーメーション(GX)の推進を目的とする連携協定を締結した。
3者は今後、同連携協定に基づき、国内の民生・産業部門で消費されるエネルギーの約6割を占める「熱エネルギー」の脱炭素化によるCO2排出量削減に向け、国内でも例を見ない先進的な実証を実施。
同市の事業者や学術研究機関と連携した地域内でのエネルギー融通の仕組み構築に向けた検討を進めるとしている。
また、2022年11月に設立されたIBM九州DXセンター(北九州市小倉北区)でも、産官学共創の推進とGX人材育成や新規事業開発支援、熱マネジメントに必要なITソリューション開発などで実証・事業化を推進するという。
同市は、鉄鋼や化学などの素材産業、金属や機械などの加工組立産業を中心に、ものづくり産業で発展してきた。
現在は、環境先進都市として、2022年2月に策定した「グリーン成長戦略」に基づき、2050年ゼロカーボンシティの実現に向け、環境と経済の好循環による新たな成長を産官学で協働して総合的かつ戦略的に推進しているという。
この環境とものづくり産業集積の強みを活かし、グリーンとテクノロジーの掛け合わせによる新たな産業の創出や、企業の競争力強化に繋がる脱炭素化の実現に向けたイノベーションを創出するため、産官学金オール北九州による「北九州GX推進コンソーシアム」を2023年12月に設立。
同コンソーシアムの取組みを通じたGX関連の研究開発・産業集積の加速化と地域企業の変革を進め、同市が掲げる「稼げるまち」の実現を目指すとしている。
IHIは、産業システム・汎用機械事業領域で、一般産業界を支える多彩な設備を提供しており、このバリューチェーン全体で、デジタル基盤の活用によるカーボンニュートラル化を推進している。
今回取り上げる「熱」は、一般産業界での重要なエネルギー源であると同時に、有効利用されず大量に捨てられているのが現状であることから、IHIグループの知見を活かし、地域で熱のマネジメントを最適化する仕組み構築などに取り組み、2050年までにバリューチェーン全体でのカーボンニュートラルを実現するという。