【ニュース】 大井川鐵道、40体ほどのたぬきの置物がある無人駅「神尾」駅で聖地づくりへ向けた取り組み「神尾駅たぬき駅化計画」を推進 静岡県島田市
2024.01.16
大井川鐵道株式会社(静岡県島田市、鈴木肇社長)は、40体ほどのたぬきの置物がある大井川本線の無人駅「神尾(かみお)」駅(静岡県島田市)で、さらに多数のたぬきで埋めつくし、「他を抜く」「運をお持ち帰りいただく」聖地づくりへ向けた取り組み「神尾駅たぬき駅化計画」を推進する。
同駅は、大井川沿いの山間にひっそりとたたずむ無人駅。
過去、SL列車には「専務車掌」(通称SLおじさん・SLおばさん・SLおにいさん・SLおねえさん)が乗務し、沿線の様子などを案内していたが、初代SL専務車掌の石原〆造さん(故人)は案内が好評で、乗客からチップをもらうことが多かったという。
石原さんは「これは自分ひとりで使うのではなく、多くの人々を楽しませるために使おう」と決め、チップを貯め、山間の同駅に信楽焼のたぬき像を設置。
この気持ちが多くの人の支持を受け、各地からたぬき像が送られてくるようになり、現在では40体ほどのたぬきが同駅の番人として同駅を守っている。
「神尾駅たぬき駅化計画」では、ホーム上の駅名標を一新。
線路と通路との境界柵を黄色に着色、この通路を「たぬきロード」と命名し、すでに同駅や大井川鐵道に寄せられていた「たぬき像」(およそ60体)を設置しているという。
さらに2024年1月21日からは、「合格」駅・「門出」駅と縁起のよい駅名が続き、同計画が進行する大井川本線「金谷」~「神尾」間が1日乗り放題となる「開運たぬきっぷ」を発売。
また、同駅間には曜日限定で臨時準急電車も運転、周遊利用の促進にも努めるとしている。
なお同社では今後、比較的地味な存在だった「無人駅」や「無人駅から見える風景」を再認識し、乗って楽しい、行ってよかった開運の路線を目指すという。
「神尾」駅の所在地は静岡県島田市神尾244-1(海抜118m)。
乗降人員は1日平均5人(2018年度)。
開業日は1929(昭和4)年12月1日。