【ニュース】 南三陸町など4者、生態系の保全、二酸化炭素の吸収源等となる藻場の再生・拡大を目的とする共同研究を開始 宮城県南三陸町

2023.08.08
宮城県南三陸町(佐藤仁町長)・一般社団法人サスティナビリティセンター(宮城県南三陸町、太齋彰浩代表理事)・MS&ADインシュアランスグループホールディングス株式会社(東京都中央区、原典之社長)・鹿島建設株式会社(東京都港区、天野裕正社長)の4者はこのほど、同町が推進する「いのちめぐるまちプロジェクト」の一環として、生態系の保全、二酸化炭素の吸収源等となる藻場の再生・拡大を目的とする共同研究を開始した。

同町は、川の源流から海までを町域としており、町内を潤した水が注ぐ志津川湾はラムサール条約登録湿地となっている。
また同町は、持続可能な養殖場の証しとなる「ASC認証」、生態系や人権に配慮した林業での「FSC(R)認証」の両方を取得した世界初の自治体で、環境に配慮した産業を推進してきたという。
一方で、志津川湾の海の生態系は、東日本大震災の被害や全国的に進む磯焼けの影響による藻場の減少が認められ、その再生が課題となっている。
さらに、地球温暖化や海洋酸性化も懸念される中、藻場による二酸化炭素の吸収(ブルーカーボンの創出)に期待が高まっているという。

こうした中、MS&ADグループは、自然を活用したまちづくりに関心の高い同町と、地域密着型シンクタンクのサスティナビリティセンターが推進する、海や森の自然を活かしたまちづくり「いのちめぐるまちプロジェクト」に賛同し、全国の社員によるボランティア作業等を2022年度から開始。

今回、同プロジェクトの発展を目指し、藻場の再生と、海の生物多様性のより良い保全・再生を目的に、海藻類の培養技術を有する鹿島建設とともに、4者で共同研究を開始した。

共同研究にあたっては、漁業協同組合や住民の協力を得て、外部専門家やまちづくりの理念への賛同者と協働しながら、自然を基盤とする地域主体のまちづくりに向けた交流や人材育成のあり方・進め方についても検討を行うとしている。

具体的には、アマモおよびタチアマモの藻場再生と再生技術の体系化、藻場再生による生態系の維持・改善およびブルーカーボンの創出、沿岸域の藻場再生・保全活動に向けた地域住民や地域外ボランティアを対象とした環境学習の実践などを計画しているという。