【ニュース】 老舗うどん店の歌行燈、未利用魚を活用したメニューの常時提供を開始、「オオニベ」などを商品化 三重県桑名市

2023.05.19
明治10年創業で全国に35店舗のうどん店を展開する株式会社歌行燈(三重県桑名市、横井健祐代表)は2023年4月28日、株式会社On-Co(三重県桑名市、水谷岳史代表・藤田恭兵代表)が手掛ける「丘漁師組合プロジェクト」とコラボレーションし、未利用魚を活用したグランドメニューの提供を開始した。
地域にある、認知度の低い食材のおいしさを常時伝えることで、未利用魚や低活用魚の消費を促進し、持続可能な漁業、ひいては豊かな食料調達への貢献を目指す。

三重県で主に行われる底曳き漁やまき網漁では、様々な水産物が獲れるが、そこから流通するのは名前の知られた魚ばかりで、未利用魚が廃棄される一方、大衆魚が枯渇するアンバランスな状態は、漁業従事者の利益減少をもたらし、将来的な水産資源の枯渇につながる可能性があるという。

こうした中、同社では、2023年4月28日より「オオニベ」などの未利用魚をグランドメニュー化(常時提供)。
メニュー公開直後から想定の4倍の注文があり、開始1週間で1か月分の在庫を完売した。

「オオニベ」は、主に四国の太平洋側や九州地方で水揚げされ、宮崎県などでは養殖もされるほど人気の魚。
昨今の気候変動等の影響により、伊勢志摩の海でも定置網漁にかかることが増えたが、三重県では認知度が低く、あまり流通していないという。
味はたんぱくであっさりしながら、しっかり味わいがあり、白身魚として天ぷらやフライなどに最適だとしている。

今後は、今回のオオニベや昨年扱ったサバフグ以外の未利用魚でも、期間限定メニューから挑戦。
和歌山などの地域でおいしい魚として古くから愛されている「ウツボ」を検討しているほか、持続可能な漁業への貢献として、三重県が力を入れている伊勢真鯛やブリなど地元食材も積極的に活用していくとしている。

白身魚の天ぷらとしてオオニベを使用したメニューは、釜揚げうどん・天ぷら・ごはんのセット「歌行燈(松)」(税抜1,500円)、天丼・小麺・茶碗蒸しのセット「海老と白身魚の天丼御膳」(税抜1,590円)など。
その他、白身魚の天ぷら・フライ(単品)なども用意した。
販売店舗は、歌行燈本店・桑名駅前店・大山田店・四日市ときわ店・名張店・鈴鹿店。