【ニュース】 川越市、同市指定文化財「旧川越織物市場」「旧栄養食配給所」を「川越市文化創造インキュベーション施設」として活用、運営支援事業者選定に向けた現地見学会を開催 埼玉県川越市

2023.01.06
川越市(川合善明市長)は、同市指定文化財の「旧川越織物市場」と「旧栄養食配給所」を、クリエイター等が創業し、新規ビジネスの支援を受けながら活動を行う「川越市文化創造インキュベーション施設」として活用、令和6年度の供用開始を目指す。

施設の運営は同市の直営とするが、専門的な知識やノウハウが必要な業務については、より効果的・効率的に実施が可能な民間事業者に外部委託する。
公募型プロポーザル方式による運営支援事業者の選定の一環として、プロポーザルに参加意向のある民間事業者を対象とした現地見学会を2023年1月23日もしくは24日に開催、参加申込の受付を
2023年1月10日より開始する。

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川越は、幕末から明治時代初めごろまで国内屈指の織物の集散地として流行ファッションをリードしていたが、明治時代末ごろには、競合の激化や地域経済の弱体化により衰退。
そこで明治43年、起死回生をかけて建てられたのが「川越織物市場」だという。
同建物は、向かい合う2棟の木造2階建ての長屋や奥行きのある土庇、格子戸と板戸を組み合わせた二重の揚げ戸、建物の間の広場空間など、当時の市場建築の姿がそのまま残り、産業遺構として希少性の高いものとなっている。

同じ敷地内にある「旧栄養食配給所」は、川越織物工業組合が設立した共同炊事場で、昭和9年~20年まで、同組合加入の中小織物工場に給食を配給していた。
現在も、カマドが一列に7基残されており、当時の姿をそのまま残す遺構としては全国的にも唯一のもので、文化的・社会的意義が極めて高い近代化遺産となっている。

「川越市文化創造インキュベーション施設」は、2つの建物を活用し、新たな価値を創出する活動を行う事業者(クリエイター等)を支援する施設。
クリエイターの起業だけではなく、クリエイター等と川越で暮らし働く人たちの交流を促進することにより、相互に刺激を受け、創造性が高まることで、個性と魅力を創出し、結果として持続可能なまちとなることを目指すという。

運営支援事業者の業務は、創業支援業務のほか、地域連携業務、施設ブランディング等。
建物構成は、旧川越織物市場・旧栄養食配給所・交流機能施設(新築)・水廻り棟(新築)等。

現地見学会の開催日は2023年1月23日もしくは24日(要事前予約)。
対象者はプロポーザルに参加意向のある民間事業者。
対象建物は旧川越織物市場(東棟・西棟)と水廻り棟(旧栄養食配給所と交流機能施設は現在工事中のため見学不可)。