【ニュース】 大成建設など、室蘭市で水素サプライチェーンを構築する実証事業を開始、一般住宅などの小規模需要家への水素の普及促進を実証 北海道室蘭市

2022.11.25
大成建設株式会社(東京都新宿区、相川善郎社長)は、室蘭ガス株式会社(北海道室蘭市、末長守人社長)を代表企業とし、室蘭市(青山剛市長)、公益財団法人室蘭テクノセンター(北海道室蘭市、栗林和徳理事長)、国立大学法人室蘭工業大学(北海道室蘭市、空閑良壽学長)、株式会社産学連携機構九州(福岡市早良区、前田真社長)、エア・ウォーター北海道株式会社(札幌市中央区、加藤保宣社長)、株式会社北弘電社(札幌市中央区、髙橋龍夫社長)と共同で、水素の製造・貯蔵・配送・利用までのサプライチェーンを構築する実証事業を実施する。

同実証事業は、環境省が公募した「令和4年度既存のインフラを活用した水素供給低コスト化に向けたモデル構築・実証事業」で、同グループが提案した「既存のガス配送網を活用した小規模需要家向け低圧水素配送モデル構築・実証事業」が採択されたもの。
今年度から実施する。

今回の同実証事業では、室蘭市が所有する祝津風力発電所で発電した電気を使用し、水電解水素製造装置で水素を製造、既存のガス配送網に混載可能な円筒型水素吸蔵合金タンクに充填し、需要家まで配送。

現在、産業用分野で普及している水素配送方法は14.7MPa又は
19.6MPaの高圧水素ガスボンベで配送しているが、今回は水素吸蔵合金を使用することで水素を低圧で大量かつ安全に配送することが可能になるという。
これにより、建物や街区、特に一般住宅などの小規模需要家への水素の普及促進を実証する。

充填した円筒型水素吸蔵合金タンクは、ガスボンベ等と同様に配送トラックに混載し、同市内の水素利用場所に運ぶ。
水素の利用場所は、一般住宅の他、小規模ロードヒーティング、小規模店舗、宿泊施設、金属加工工場など。

実証項目は、既存のLNG配送網を活用することによる配送コストの低減実証、再エネ変動に追従した水電解装置の稼働率向上によるコスト低減実証、水素利用方法の多様化(小規模需要家へ機器を設置)による普及コストの低減実証、水素製造時の副生酸素の有効利用(陸上養殖への利用)による水素コスト低減実証など。