【ニュース】 楯の川酒造、新たにウイスキー製造子会社を設立、山形県で2番目となるウイスキー蒸留所「月光川蒸留所」の開設に向けて始動 山形県遊佐町

2022.06.27
楯の川酒造株式会社(山形県酒田市、佐藤淳平代表)は、繊細な日本酒醸造の技術を活かした「庄内産ウイスキー」の生産に向け、新たにウイスキー製造子会社を設立、山形県で2番目となるウイスキー蒸留所「月光川(がっこうがわ)蒸留所」(山形県遊佐町)の開設に向け、始動する。

国税庁「酒類の輸出動向」による2021年の酒類全体の輸出金額は、約1,147億円(前年比161.4%)で過去最高を更新。
中でもウイスキーの輸出金額は、461億5,000万円(前年比70.6
%増)と16年連続のプラスで、2020年より2年連続で酒別輸出金額1位となっている。

同蒸留所は、山(鳥海山)・川(月光川)・海(日本海)に囲まれた緑豊かな山形県遊佐町吹浦地区に構える予定。
蒸留所で使用する月光川水系は、山形県と秋田県の県境にある鳥海山の南麓を源としており、その湧き水は古くから山麓に農耕の恵みをもたらしてきた。
庄内の食文化を支えてきたといっても過言ではないこの伏流水を、ウイスキー蒸留にも活用する。

06271200

楯の川酒造では、2010年に山形県で初めて、醸す酒すべてを精米歩合50%以下の純米大吟醸とし、精米歩合20%以下の高精白日本酒の醸造を強化し続けてきた。
ここで培った高精白日本酒醸造の繊細な感覚や、原料処理と発酵に関する高い技術を、ウイスキー蒸留にも活用する。
ウイスキー製造を担当するスタッフは、楯の川酒造で日本酒醸造の経験を豊富に積んだ蔵人(くらびと)達で、「上品で繊細なジャパニーズウイスキー」を造り上げるだけでなく、これまでの常識にとらわれないレシピを生み出すことも可能だという。

さらに、現在25カ国超の国へ輸出を進めてている楯の川酒造のもつ販路を最大限に活用、国内だけでなく需要の高まる海外へと積極的に販売。
「庄内産ウイスキー」を世界へ届け、日本酒を含めた「日本産酒類」の価値向上を図るとしている。

「月光川(がっこうがわ)蒸留所」の社名は月光川(がっこうがわ)蒸留所株式会社(楯の川酒造子会社)。
建設予定地は山形県飽海郡遊佐町。
蒸留所のコンセプト開発と設計は建築家・美術家の佐野文彦氏が担当。
ウィスキーの熟成という時の流れを木材の経年変化に重ね、関わる人達と「共に育てる」事をコンセプトとした蒸留所のデザインを検討中だという。
2023年に着工し、2023年9月ごろから稼働する予定。
2024年ころよりブレンディッドウイスキーの販売を予定、オリジナルのシングルモルトウイスキーの販売は2027年ころを想定している。