【ニュース】 佐賀県、明治5年に開業した新橋~横浜間の鉄道遺構「高輪築堤」のうち、石垣の一部を佐賀県内各地で常設展示 佐賀県佐賀市
2022.03.24
佐賀県(山口祥義知事)は、明治5年(1872年)9月12日に開業した新橋~横浜間の鉄道遺構「高輪築堤」のうち、現地保存されない石垣の一部を譲り受け、佐賀県内各地で常設展示する。
同区間の鉄道敷設に際し、高輪での用地取得の問題に直面した佐賀の偉人・大隈重信は、海上に石垣を造り通すことを決断、「高輪築堤」が築かれた。
平成31年(2019年)4月、JR「高輪ゲートウェイ」駅周辺の開発工事に伴う調査で、その石垣の一部が出土。
歴史的資産としての価値が認められ、令和3年(2021年)9月、既指定史跡に追加される形で史跡「旧新橋停車場跡及び高輪築堤跡」として指定されている。
同県では譲り受けた石垣のうち、メイン展示を佐賀県立博物館(佐賀県佐賀市)、サテライト展示を大隈重信記念館(佐賀県佐賀市)、早稲田佐賀中学校・高等学校(佐賀県唐津市)で実施する。
展示期日はメイン展示が2022年4月15日~、サテライト展示が
2022年4月上旬開始予定。
メイン展示では、幾多の困難を乗り越え、鉄道開業を成し遂げた大隈の発想力や決断力を、実際の築堤の石の展示と迫力ある映像劇で伝えるほか、館外で高輪築堤の石垣で実際に使用されていた石を使用し、遺構の一部を模して復元展示を行う。
サテライト展示のうち、大隈重信記念館では、庭園に高輪築堤の石を展示するとともに、館内では大隈と鉄道事業に関する映像を放映、早稲田佐賀中学校・高等学校では高輪築堤の海側・陸側に積まれていた石を展示する。
なお現在、史跡指定部分は現地保存のため埋め戻され、それ以外は記録保存とされたため、現地で築堤の姿を見ることはできない。