【ニュース】 大塚オーミ陶業、国宝「源氏物語関屋澪標図屛風」を陶板で複製、初めて国宝作品を屋外で設置、住吉大社の新たな名所に 大阪府大阪市
2021.12.28
大塚ホールディングス傘下の大塚オーミ陶業株式会社(大阪市中央区、大杉栄嗣社長)はこのほど、国宝「源氏物語関屋澪標図屛風」のうち、「澪標図(みおつくしず)」を原寸大(153.0×356.4
cm)の陶板で製作した。
1631年、俵屋宗達によって描かれた「澪標図」は、宗達の作品中、国宝に指定される3点のうちの1つとして知られている。
作品の左端には、住吉大社(大阪市住吉区)の象徴とされる当時の反橋と鳥居が現在に伝わる姿で描かれているという。
今回、やきものの耐久性を活かした複製により、初めて国宝作品を屋外で設置することが可能となった。
住吉大社の反橋を臨む場所に設置することで、多くの人が貴重な文化財を身近に鑑賞できる環境を整備し、その魅力を広く伝えるとしている。
今回の陶板作品は、エース証券株式会社(大阪市中央区、出口義展社長)からの寄付により、静嘉堂文庫美術館(東京都世田谷区、佐々木幹夫理事長)から複製許可を得て製作した。
陶板の色彩については、色カンプや試作陶板と原画を照らし合わせ、白浜の岩絵具の質感、源氏一行の細かな衣の色彩など、静嘉堂文庫美術館の学芸員と協議しながら進め、焼きもので忠実に再現。
特に、煌びやかな金箔の箔足や古色仕上げ(古びた様子)を自然な風合いにするため、レタッチ(補色作業)を繰り返し、日本画の繊細な表現を追求したという。
耐久性が高く、変色しない陶板は、屋外での展示も可能。
陶板で複製することにより、原物は保存しながらも多くの人への公開が可能となり、その文化的価値や魅力を国内外へと広く永続的に伝えることができるとしている。
住吉大社は、全国に2,300社ある住吉神社の総本社。
年のはじめには200万人以上の参詣者が訪れる。
境内には、国宝に指定され古代の建築様式を伝える四本殿をはじめ、住吉の象徴とされる反橋(太鼓橋)や多数の文化財、樹齢
1,000年と言われる楠の御神木などを有する。