【ニュース】 三井不動産など、リファイニング建築で東京大学と共同研究、建替えた場合と比較しCO2を72%削減 東京都新宿区
2021.09.24
三井不動産株式会社(東京都中央区、菰田正信社長)は、既存躯体を再利用するリファイニング建築について、株式会社青木茂建築工房(福岡市中央区、青木茂社長)の協力のもと、東京大学新領域創成科学研究科清家剛教授と共同研究を実施、CO2排出量削減効果の評価を行った。
現在、同社と青木茂建築工房が東京都新宿区で計画中のリファイニング建築計画を対象にCO2削減効果を検証した結果、既存躯体の約84%を再利用することにより、既存建物を同規模に建替えた場合と比較し72%削減できることが判明したという。
同計画は、築49年の旧耐震基準の賃貸共同住宅をリファイニング建築により再生するもの。
同建築手法では、建物寿命を新築同等とするため、躯体の調査、補修を実施したうえで耐震性能を現行法規レベルまで向上。
また、竣工後の運用時エネルギーも新築同等とするため、サッシ交換や断熱改修等を実施する。
今回の共同研究では、製造・運搬・施工の段階のうち、最も削減効果が大きい製造段階に注目し、リファイニング建築時に使用される建築資材量を算出、資材の製造時に排出されるCO2排出量を試算した。
建替えの場合も同様に算出し、比較することで、同建築手法の削減効果を検証した結果、建替えの場合躯体の資材製造に伴うCO2排出量が1,761tだったのに対し、リファイニング建築の場合は資材製造に伴うCO2排出量は40tとなり、躯体以外の設備を含めると、建替えの場合と比べ全体でCO2排出量1,721t(約72%)の削減効果があることが判明したという。
一般的にリファイニング建築は躯体の80%以上を再利用する。
老朽化不動産の耐震化だけではなく、建替えと比較して建設時の
CO2排出量を大幅に削減可能であるため、リファイニング建築が脱炭素社会に向けたソリューション提案の一つとなり得ることが同研究によって明らかになったとしている。
同計画の所在地は東京都新宿区信濃町3-1、交通はJR中央線「信濃町」駅より徒歩7分、東京メトロ丸の内線「四谷三丁目」駅より徒歩8分。
敷地面積は968.46㎡、延床面積は2,610.42㎡。
構造は高層棟SRC造・低層棟RC造。
用途は賃貸住宅32戸・店舗1戸。
竣工予定日は2022年3月予定(既存建物1971年築)。