【ニュース】 南紀白浜エアポートと日立製作所、空港での保安検査を支援するAI技術の実用化に向け実証実験を開始、保安検査員のストレスを軽減 和歌山県白浜町

2021.08.30
株式会社南紀白浜エアポート(和歌山県白浜町、岡田信一郎社長)と株式会社日立製作所(東京都千代田区、小島啓二社長)は8月27日、南紀白浜空港での保安検査を支援する人工知能(AI)技術の実用化に向け、実証実験を開始した。

従来、保安検査の一つとなっている手荷物検査では、検査装置を通過する手荷物にX線を照射させ、画像処理により鮮明化された画像をもとに、保安検査員が「目視」で危険物を検知していたという。
セキュリティレベル維持のために危険物の見逃しが許されないなど、保安検査員にかかるストレスが極めて高い状況で、その軽減が課題となっていた。
また、労働人口が減少する中、熟練の検査員による検知ノウハウの継承は重要であるものの、人財育成は容易ではなく、経験の浅い検査員は検知に時間を要するという課題もあったという。

両社は今回、南紀白浜空港でAIを活用し、手荷物検査の高度化・効率化を支援する実証実験を開始。
従来の検査員による「目視」に加え、AIによる二重の確認により、保安検査員のストレス軽減とともに手荷物検査の安全性の更なる向上を目指す。

システムの中核には、日立ソリューションズの「X線検査判定支援ソフトウェア」を使用し、X線装置の手荷物検査でAIによる危険物の自動判定を行う。
AIは日々更新される新たな危険物の情報や熟練検査員のノウハウを学習して進化し、高いセキュリティレベルと業務効率の向上を図るとしている。
これにより、AIを実際の手荷物検査に導入することによる運用性と、導入の効果を検証するという。

実証実験の実施期間は2021年8月27日~2022年3月末日(当事者間の合意の上で延長する場合あり)。