【ニュース】 阿南工業高等専門学校、9月1日の防災の日に、高専生と徳島の建設業者が新しく開発した徳島型の木造仮設住宅を高専敷地内に建築 徳島県阿南市
2021.08.24
阿南工業高等専門学校(徳島県阿南市、平山けい校長)は、9月1日の防災の日に、高専生と徳島の建設業者が新しく開発した徳島型の木造仮設住宅を、阿南高専敷地内に建築する。
同校は、地域の活性化・産業の振興に寄与するため、高専が持つポテンシャルと地域の特質を生かしながら、全地域的な努力と英知を結集し、技術開発の発展的交流をめざす拠点として、様々な活動に取り組んできた。
また同校は、南海地震の発生時に甚大な被害が予想される阿南市に位置していることから、地域社会と連携しながら、防災・減災や災害からの復興等をテーマとした教育研究活動も行ってきたという。
このために同校では、大量の応急仮設住宅を早期に建設できるよう、建設技術者を育成していくとともに、東日本大震災等の仮設住宅団地で課題になった孤独死等を防ぐよう、人間的な温かみや被災者の傷ついた心に寄り添える技術者を育成する。
温かみのある木造の応急仮設住宅を建築することで、学生が特殊な工法を用いる応急仮設住宅の実際の施工を体験すると共に、被災者に思いを巡らせながらこれから来る災害に備え、より実践的な学習をしていくモチベーションを高めることにつなげるとしている。
今回の同取り組みは、今年6月に板倉型の木造仮設住宅を学生が建築したことに続き、防災に関する地域連携・地域貢献をより進めていくため、全国木造建設事業協会木造応急仮設住宅実習訓練研修会(木杭編)の一環として実施するもの。
高専生と徳島の建設業者とが新しく開発した、徳島型の木造仮設住宅を阿南高専敷地内に建築することで、災害時の特殊な建築構法を学ぶとともに、地域社会への防災教育等に活用することで、南海地震が迫る地域社会に対し、事前復興訓練の重要性を広くアピールするという。
現在、阿南高専本科5年生らが中心となり、卒業研究の一環として、既存の木造仮設住宅の工期を短縮し、材料の無駄をなくすよう、教員や建設会社の指導を受けながら、新しい徳島型の木造仮設住宅を設計、工事に使用する木材をプレカット工場で加工している。
なお同校では、今年11月6日・7日の文化祭の機会に、応急仮設住宅に関するシンポジウムの開催を計画しており、全国の仮設住宅研究者や行政職員の他、一般にも広く公開することを計画。
学生自身がこれまでの取り組みを発表することで、地域社会の災害に対する意識を高めていくとしている。