【ニュース】 八幡市、江戸時代前期に作られた空中茶室「閑雲軒」の内部や景色などを再現したVR動画を制作、期間限定サイトで公開 京都府八幡市
2021.03.16
八幡市(堀口文昭市長)は、江戸時代前期に石清水八幡宮(京都府八幡市)のある男山山腹からせり出すように作られた空中茶室「閑雲軒」の内部や、そこから見える景色などを再現したVR動画を制作、期間限定サイトで公開した。
「閑雲軒」は、石清水八幡宮の社僧だった松花堂昭乗(1582~
1639年)が、近江国小室藩初代藩主で建築家だった小堀遠州(1579~1647年)とともに、自らが住職を務めた「瀧本坊」に造った茶室。
清水寺の舞台のように山腹の崖からせり出した「懸け造り」と呼ばれる構造で、名だたる茶人たちが訪れ、平面図や文章にも記録が残されているが、1773年(安永2年)に火事で焼失している。
2010年に八幡市教育委員会が行った発掘調査では、瀧本坊全体の建物の配置とともに、閑雲軒がかつてあった場所が明らかになった。
崖の斜面には建物の柱を支えた礎石の列が30ⅿ以上見つかり、「懸け造り」の書院があったことも判明したという。
茶室は長さ7ⅿもの柱で支えられ、床面のほとんどが空中にせり出した「空中茶室」ともいうべき構造。
また、にじり口に至るまでの空中を歩くような廊下を、茶室につきものの露地庭に見立てており、当時としては画期的な茶室であったとされている。
VR動画では、その空中に浮かぶ廊下を歩いて茶室に入り、昭乗役を務める茶人のお点前を見るなどして当時の追体験をしつつ、ドローンで撮影した八幡の風景との合成映像で空中を散歩する雰囲気が味わえる。
現在、制作を記念した期間限定サイト(~3月31日)で公開しているほか、サイトの公開終了後も八幡市立松花堂庭園・美術館のYoutubeチャンネルで視聴可能。