【ニュース】 三井化学、大牟田工場の専用線を5月を目途に廃止、日本で稼働する最古級の電気機関車をメモリアル映像化・音源化 福岡県大牟田市

2020.03.04
三井化学株式会社(東京都港区、淡輪敏社長)は、同社の大牟田工場(福岡県大牟田市)で原材料の搬入等に使用している三井化学専用線(旧三池炭鉱専用鉄道)を2020年5月を目途に廃止する。

現在、三井化学専用線で使用している車両は、日本で稼働する最古級の電気機関車と言われている。

同社では、三池炭鉱の時代から現在に至るまで100年以上にわたり活躍を続けた炭鉱電車への感謝と、未来に向けたレガシーとしての活用を検討する「ありがとう 炭鉱電車プロジェクト」を開始。
2020年6月にはラストランイベントを開催する予定だという。

旧三池炭鉱専用鉄道は1878(明治11)年、三池炭鉱の大浦坑から石炭を搬出するために敷設された馬車鉄道が歴史のはじまり。
1997(平成9)年の三井三池炭鉱の閉山とともに、その多くの路線は廃止されたが、一部の区間(1.8km)は三井化学専用線として当時の車両とともに運行を継続してきた。
三池炭鉱専用鉄道敷跡は、「明治日本の産業革命遺産」として
2015(平成27)年に世界文化遺産に登録されている。

「ありがとう 炭鉱電車プロジェクト」では、映画監督の瀬木直貴氏に依頼し、これまでの炭鉱電車の歴史を振り返りつつ、現在も現役で稼働している様子を「風景の資産」としてメモリアル映像化。
完成した映像は、大牟田市や関係団体へ寄付・提供する。

さらに、炭鉱電車が発する「音」を記録として残すため、炭鉱電車にまつわる音をASMR(人が聴覚や視覚への刺激によって感じる、心地良い、脳がゾワゾワするといった反応・感覚)音源としてアーカイブするという。