【ニュース】 西鉄グループなど、経済産業省・国土交通省が行う「中型自動運転バスによる実証評価」の事業者に選定、自動運転バスの社会実装に向けて中型自動運転バスの実証実験を実施 福岡県北九州市

2020.01.24
西日本鉄道株式会社と西鉄バス北九州株式会社は、経済産業省・国土交通省が行う「中型自動運転バスによる実証評価」の事業者に選定されたことを受け、北九州エリアで自動運転バスの実証実験に取り組む。

今回の取り組みは、自動運転バスの社会実装に向け、必要な技術や事業環境等を整備することを目的に行われるもの。
同社は実証事業者として自動運転バスの運行業務や関係機関との調整、検証項目の立案、試験走行を通じた各種検証等の役割を担う。

実証実験は、今年2月に小型自動運転バスを使用する実験(プレ実証評価)と、今年7月以降に中型自動運転バスを使用する実験(実証評価)の計2回を実施。
プレ実証評価では、1日4往復程度運行し、安全性の確認や諸課題の洗い出しを行い、その結果を踏まえて実証評価に臨む。
実施にあたっては、関係機関との調整など、北九州市からサポートを得ながら進めていく。

近年、同社を含む多くのバス事業者が「バス運転士の不足」と「利用者減少に伴う採算悪化」という課題を抱える中、自動運転バスは、省人化や運行本数の増・運行時間帯の拡大などの面でバスの利便性向上に寄与すると期待されている。
同社では、将来的な自動運転バスの社会実装を見据え、同取り組みを通じて自動運転バスの運行に資する知見を蓄積していくとしている。

今回の実証実験は、西鉄バス北九州株式会社が運行する路線バス「朽網(くさみ)駅~北九州空港線」(約10.5km)と同じルー トで行う。
北九州空港と最寄り鉄道のJR「朽網」駅を結ぶ同路線は、空港の二次交通として重要な路線であるほか、沿線には企業の工場をはじめ多くの事業所や施設が集積しており、地域住民や従業員の交通手段としての役割も担っているという。
また、同ルートは区間を通して概ね道路幅が広く交通量も少ないため、走行環境の面でも適していると考えられることから実験区間に選定された。

実証内容は、試験区間全体での安全でスムーズな走行、日照・天候・交通量・GPS感度などの走行環境変化への適応性、交差点信号情報提供システム(交差点の信号情報を、無線装置を通じて車両に送信するシステム)の実用性。
実証評価では、プレ実証評価での検証結果を踏まえ実証内容を追加する。

実証期間はプレ実証評価が2020年2月3日~29日のうちの17日間、実証評価が2020年7月中旬~11月中旬(準備期間含む)。
路線は「朽網」駅~「北九州空港」線・約10.5km。
実証評価での導入車両が小型自動運転バス1台(車名は日野ポンチョ)、乗車定員が34人(座席11席・立席22席・運転席1席)、寸法は全長7.0m×全幅2.3m・全高3.1m。
実証評価での導入車両が中型自動運転バス1台(車名はいすゞエルガミオ)、乗車定員が54人(座席28席・立席25席・運転席1席)、その他の仕様は未定。
運行便数は1日4往復程度(運行時間帯は6時~21時)。