【ニュース】 金沢工業大学など、伝統と現代的生活様式を両立させた先進的な新築住宅「金沢式まちや」を共同開発 石川県金沢市

2018.11.13
金沢工業大学増田達男研究室(増田達男教授)と建築設計事務所などで構成する産学連携の「KIT増田チーム」はこのほど、「金沢式まちや」を共同開発した。

「金沢式まちや」は、単なる「復原町家」ではなく、町家が持つ優れた技術と様式を現代の建築学で解き明かし、設計に活かした新築住宅。
金沢のまちなみに調和しながら、断熱性能と近代的設備を完備した町家だという。

金沢は、まちなかに点在する歴史的住宅(町家)が観光資源となっているが、その大部分は取り壊され、残っている町家はほとんどが地域性のない姿に改装されているのが現状。
その一方で、国内外からは、金沢が持つ歴史的住宅の魅力に気づき、求めている人が多くなっているという。

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同チームでは、こうした問題をは早くから認識し、2014年8月から「金沢式まちや」の共同開発に取り組んできた。

開発した「金沢式まちや」は、延べ床面積が177㎡で県産の天然木を使用。
構造は強靭な木組み構造で、柱や梁が見える造りのため、木が湿らず長持ちするという。

外観は金沢のまちなみに調和し、車2台のビルトイン車庫付きで、金沢特有の狭く細長い宅地にも対応、中庭(坪庭)から十分な採光と通風を確保する汎用プランシステムを開発した。

屋内は日本住宅の魅力と安らぎを確保しつつ、洋式の生活様式(椅子・テーブル)と近代的設備を完備。
断熱性能は最高ランクの4で、冷暖房費を削減し、環境保全と健康維持につながるほか、高齢者対応のホームエレベータ設置スペースも備えた。

伝統と現代的生活様式を両立させ、長寿命で高齢者にも対応した先進的な新築住宅を開発したという。