【ニュース】 アーキビジョン21など、西日本豪雨災害被災者に向けた「モバイル型応急仮設住宅」の供給を倉敷市で開始、トレーラーハウス・ムービングハウスで迅速に住宅を輸送 岡山県倉敷市

2018.08.29
一般社団法人日本RV輸入協会(原田英世代表理事)と一般社団法人日本ムービングハウス協会(佐々木信博代表理事)は、倉敷市の要請を受け、同市内船穂町柳井原市の私有地でトレーラーハウス(車両を有する移動型住宅)10棟とムービングハウス(海外輸送コンテナサイズの移動型木造住宅)40棟の計50棟と、ムービングハウス4棟を連結した集会施設から構成される応急仮設住宅(「柳井原仮設団地」)の設置を決定した。

同住宅は、平成30年7月の西日本豪雨災害により居住を失った倉敷市真備町地区の被災者に向けたもの。
平成30年8月末までに外構整備や給排水や電気・ガス工事、住居設置工事等を全て完了させ、9月初旬から入居開始予定としている。

倉敷市との契約主体は、日本ムービングハウス協会の会員企業で、特定建設業許可を有する株式会社アーキビジョン21(北海道千歳市、丹野正則代表)。
アーキビジョン21が、本体のレンタル供給と敷地の外構工事等を一体的に受託、事業管理を行う。
トレーラーハウスやムービングハウスなど、完成した住宅を輸送するタイプの応急仮設住宅「モバイル型応急仮設住宅」が災害救助法に基づく応急仮設住宅として採用されたのは今回が初めてとなる。

201808291200

モバイル型が導入された例としては、熊本地震でトレーラーハウスが災害救助法上の福祉避難所として採用され、5か月間レンタルされた実績がある。
同福祉避難所は、日本RV輸入協会と一般社団法人協働プラットフォーム(長坂俊成代表理事)が共同し、内閣府・熊本県・益城町に提案して実現したもの。
協働プラットフォームは、益城町から要請を受けて2か月間にわたり、同福祉避難所の入所者支援に取り組んだ。
今回も、発災当初から茨城県境町ほか民間事業者とともに倉敷市の避難所にシャワー室タイプのコンテナユニット等3台、及び倉敷市災害ボランティアセンターの長期滞在スタッフの宿泊施設としてムービングハウス4台を無償提供する公民協働の被災地支援をコーディネートしているという。

今回被災した同町の場合、立地や老朽化・耐震性・所有者の意向・分散避難生活によるコミュニティの崩壊など、借上型(みなし仮設住宅)では需給のミスマッチが多く、借上型以外の応急仮設住宅を供給することが求められた。
モバイル型は、全国の工場で分散して生産し輸送・移設するため、現地で建設する建設型よりも納期を短縮することが可能となる。
あわせて、既存のプレハブ等の建設型と比較すると、モバイル型の総額は建設型の概ね8割程度で、20年以上の物理的耐用年数を有し、本体の解体に伴う廃棄物も発生せず、再利用可能なため環境性にも優れているという。

今回は従来の建設型で協定されている設備・備品等の仕様への一部準拠が求められたため、完成しているトレーラーハウスとムービングハウスをそのまま移設して利用できず、新規造作と改造に時間を要し、さらに外構工事や給排水や電気・ガス工事等の調整にも時間を要した。
現段階の見通しでは、当初の予定通り、発注後概ね1か月以内で設置完了する見込みだという。