【ニュース】 三菱地所、日本初、CLTを床材として利用した高層建築物「(仮称)泉区高森2丁目プロジェクト」を着工、工期短縮・森林資源循環への貢献を目指す 宮城県仙台市

2018.03.27
三菱地所株式会社(東京都千代田区、吉田淳一社長)は3月26日、「泉パークタウン」(仙台市泉区)内で進めている、日本初のCLTを床材として利用した高層建築物となる10階建賃貸マンション「(仮称)泉区高森2丁目プロジェクト」(総戸数39戸)の新築工事を着工した。
竣工予定は2019年2月下旬。

CLT(Cross Laminated Timber)とは、1995年頃からオーストリアを中心として発展してきた新しい構造材で、板の層を各層で互いに直交するように積層接着した大判パネルのこと。

同物件は、三菱地所株式会社・株式会社三菱地所設計・株式会社竹中工務店・山佐木材株式会社の4社で取得したCLT床2時間耐火構造の国土交通大臣認定技術を初めて適用した建物にもなる。
今後の施工段階での実証により、2時間耐火構造技術を含めた防耐火技術・構造技術と施工方法で、合理化手法の確立を目指す。

なお同計画地は、周辺にホテルや商業施設、アウトレット等が集積する街の中心部に位置し、小高い丘陵地に建つことから視認性も高く、街の新たなシンボルとなることが期待されるという。

20180327mec

三菱地所は、同プロジェクトを進めるにあたり、社内での新事業提案制度適用に基づき、今年度より住宅業務企画部内に専門部署
「CLT ユニット」を組成、事業化に向けた研究開発に取り組んできた。

床と壁の約230㎥にCLTを構造材に利用することで、通常の鉄筋コンクリート造に比べ、乾式工事の範囲を拡大することが可能となり、鉄筋コンクリート造に比べ3ヶ月程度の工期短縮を予定している。

また、CLTの利用を通じ、同社ならではのビジネスモデルを構築し、工事費の低減や工期短縮、将来の事業機会創出へとつなげていくとともに、同プロジェクトから得られる設計・施工時の実証結果、竣工後の各種計測結果等の情報については、地元団体を含め広く公開する予定。
CLTを利用した建築物の普及を促進していく先導的な役割を果すとしている。

「(仮称)泉区高森2丁目プロジェクト」の所在地は仙台市泉区高森2丁目1番11の一部(地番)、交通は宮城交通バス宮城大学線「寺岡六丁目・泉アウトレット」バス停より徒歩3分、 宮城交通バス泉パークタウン線・将監ニュータウン線「泉パークタウンスポーツガーデン前」バス停より徒歩7分。
敷地面積は3,550.78㎡、延床面積は3,604.79㎡。
構造・規模は木造(CLT床・耐震壁、燃エンウッド)+鉄骨造・地上10階建。
総戸数は39戸。
専有面積は51.44㎡~89.43㎡、間取りは2LDK・3LDK。
CLT利用箇所は床の一部(約1,000㎡、床全体の約30%)、壁の一部(約110㎡)、材積約230㎥。