【ニュース】 復興庁、第1回「共創イベント」を7月15日~16日に宮古市で開催、歴史的商家「東屋」の現代版復活へ向けワークショップを実施 岩手県宮古市

2017.07.04
復興庁は、平成29年度「共創イベントを通じた情報発信ソリューション構築事業」の一環として、「共創力で進む東北プロジェクト」を実施、今後10回程度、「共創イベント」を1泊2日の日程で開催する。
同取り組みでは、東北における地域課題のテーマを公募し、最大
10件を採択。
選ばれたテーマは、課題の解決へ向け、公の場でアイデアワークを行い、活動プランを考案する。
実際の活動にあたっては、1件あたり最大300万円の経費支援を行い、年度を通じて東北の未来を共創し、実現を目指すという。

第1回となる今回のテーマは、「昔の商家が担っていた地域の商社・文化創造・福祉機能を現代版に復活させて、三陸沿岸部に文化・観光拠点を創出するには」。
同テーマは、シネマ・デ・アエル実行委員会(岩手県宮古市)が応募し、審査を経て採択されたもの。

近世・近代における商家は、地域での商社として経済活動の拠点であったのと同時に、文化活動の支援や人材育成などを行う地域福祉の拠点でもあったという。
こうした「商家」が担っていた多様な機能を現代版にアレンジすることで、「東屋」(岩手県宮古市)を共同体の維持・発展を支える新しい商家として、よみがえらせる活動を創出していく。

同テーマにおける課題は3つ。

ひとつは、文化資源の保存的活用による市街地の活性化。
1611年の慶長津波の後に整備され、400年の復興街づくりの歴史を有する同市で、「東屋」は東日本大震災をも乗り越え、貴重な歴史資源を有する文化財級の大規模な商家。
オーナーは、文化資源として保存しながら活用を望む中で、旧市街地の空洞化を懸念しており、これを「東屋」を活用することで乗り越えたいとしている。

次は、民間が運営する文化施設の再生。
復興のシンボルだった三陸沿岸部唯一の映画館「みやこシネマリーン」が昨年9月に閉館し、文化面の生活環境が減退。
民間が運営する文化施設を再生することで、地域の暮らしの質を支えていきたいとしている。

最後は、復興事業による新たな交通インフラ。
高規格道路の開通、三陸鉄道の全線復旧や宮古~室蘭間定期フェリー就航などの交通インフラの整備により、新たな交流や来訪者を生むチャンスがある一方で、市街地が通過点になってしまうことやストロー効果の懸念もあるという。

これらの課題解決に向けた活動プランは、「東屋」で7月15日~
16日の2日間、フィールドワークとアイデアワークショップで考案するとしている。

第1回共創イベントの開催日時は7月15日の13時30分~16日の16時30分。
会場は東屋(岩手県宮古市本町2-2)、交通はJR「宮古」駅から徒歩約12分、当日はJR盛岡駅より無料送迎バスあり。
参加人数は定員25名(応募者多数の場合は選考を実施)。
参加費は無料(宿泊費・食費・移動などにかかる実費は各自の負担となる)。
参加決定の連絡は7月10日までに事務局より応募時に登録したメールアドレスへ通知する。
問い合わせは共創イベント開催事務局(NECソリューションイノベータ株式会社内)まで。