【ニュース】 関西電力、熊本県南関町で竹を活用したバイオマス熱電併給事業に出資参画 熊本県南関町

2017.06.01
関西電力株式会社(大阪市北区、岩根茂樹社長)は5月31日、熊本県玉名郡南関町でバンブーエナジー株式会社(熊本県南関町、丸本文紀社長)が行う、竹を活用したバイオマス熱電併給事業へ出資参画すると発表した。

バイオマス熱電併給事業は、バンブーエナジー・バンブーフロンティア株式会社(熊本県南関町、津留克也社長)・バンブーマテリアル株式会社(熊本県南関町、山田浩之社長)が三位一体で行う「バンブーフロンティア事業」の一部。
バンブーフロンティア事業は、地域の未利用資源である竹を原材料からエネルギーまで余すことなくカスケード利用(資源やエネルギーの利用によって下がった品質レベルに応じ、何度も資源として利用)するというもの。
バンブーフロンンティアが建築資材の製造に適さない竹や残竹をチップ材へ加工し、バンブーエナジーはそのチップ材を燃料として利用することにより、バンブーフロンティアとバンブーマテリアルへ熱と電力の供給を行う。
竹材の搬出による荒廃竹林の整備から、竹の工業製品産出までの新規サプライチェーンを構築することで、雇用創出等の地方創生が期待できるという。
20170601関西電力

一般に竹を燃料とすることは、竹を燃焼した際にクリンカという成分が発生するため、敬遠されてきたが、バンブーフロンティア事業では、竹とバーク材を混焼することでクリンカの発生を抑制することにより、竹をバイオマス燃料として利用することを実現した。
「竹材の調達および燃料用チップへの一次加工」「一次加工されたチップを燃料とした熱電併給」「竹を原料とした建築資材製造」を三位一体で取り組む。
なお、竹材供給安定化のため、竹材供給者とは量・価格で長期契約を締結したという。

関西電力は、同事業への出資参画を行うことで、竹を燃料としたバイオマス熱電併給事業の知見獲得を目指すと共に、2030年までに50万kw程度の再生可能エネルギー電源の開発を目標としている。
同熱電併給設備は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の実証事業として、熱電併給設備を平成30年6月頃に着工し、平成31年1月より稼動する予定。
設備所在地は熊本県玉名郡南関町下坂下(ゆめ竹バレー内)。