【ニュース】 ワコール、京町家を活用した宿泊事業へ参入、ワコールアートセンターと連携し5年後に京都市内で約50前後の施設展開を目指す 京都府京都市
2017.05.31
株式会社ワコールホールディングス傘下の株式会社ワコール(京都市南区、安原弘展社長)は、京町家・古民家を活用した宿泊・物販・サービス事業へ参入する。
同事業は、社内提案制度による新規事業提案をもとに事業化したもの。
旅館業法上の許認可を得た簡易宿所営業に該当する。
職住一体の空間として長く利用されてきた京町家は、京都の都市景観を特徴付ける建築物だが、所有者の高齢化に伴って老朽化物件や空き家が増加しており、地域や行政にとって深刻な問題となっているという。
一方、国内外から関西へ訪れる観光客が増加する中、京都を中心とする宿泊施設は慢性的に不足している。
同社では今回、観光客に印象深い滞在体験を提供するだけでなく、歴史的価値のある京町家・古民家を保全・有効利用しつつ、地域の生活環境改善やコミュニティ形成にも役立ちたいとの思いから、同事業へ参入することを決定したという。
同事業は、同グループ会社で東京・青山の複合文化施設スパイラル(SPIRAL)の運営を手掛ける株式会社ワコールアートセンター(東京都港区、小林裕幸社長)と連携して展開する。
ワコールアートセンターは、リノベーションに関する意匠・デザインや各種サービスなどのディレクション業務を担当。
ワコールは行政や地元不動産会社を介した物件所有者との賃貸借交渉・契約業務や施工業者の選定および宿泊事業運営全般を担当する。
また、近隣住民をはじめ地域コミュニティとの良好な関係構築を前提に、対象物件の選定を進めるという。
当初は、宿泊施設運営を中心に事業をスタートする計画で、2018年4月に2~3店舗の開業を予定。
5年後には京都市内で約50前後の施設展開を目指す。
その後、京都府下や他府県での展開も視野に入れて事業拡大を図る予定。